太陽が昇り始める。
マグノリアを見渡せる丘で朝焼けを眺めながら新しい1年の始まりを彼と迎えた。

「これからもよろしくね」

そんな言葉を交わし合って、笑いあって、ルーシィたちは、まだ新年の宴で盛り上がっているギルドを後にした。

部屋に着いて、カウントダウンで疲れた身体を休めていると、ロキが紅茶を淹れてくれる。
そんな彼を眺めながら、

「ねぇ、どうして好きだから会いたいっていうの?」

ルーシィは不意にそう口にする。
その言葉に一瞬だけ怪訝な表情を浮かべたロキ。
しかし、その様子が珍しく拗ねているようでもあって、そっとルーシィの側に近付く。

「どうしたの?」

なにかあった?なんて、優しく微笑んで、その金糸の髪を掬いあげる。

「別に。なんとなく……そう思っただけよ」

惜しみない愛を捧げているつもりでも、彼女に安心を与えるにはまだまだ遠い道程らしい。
困ったように笑みを浮かべ、頭を撫でた。
ルーシィは眠そうにソファーに寄り掛かりながら更に続ける。

「会いたいことに……理由なんて必要なのかな?」

小さく、呟くように言ったその一言を最後に彼女は眠りに落ちていった。
静まりかえった部屋でひとり、くすりと笑みを零し、ロキは優しくその身体を抱きあげる。

「いったい誰に何を言われたのかな」

そっとベッドに寝かして、シーツをかけて、あどけない寝顔を眺めているこの時間が限りなく幸せに包まれたものであると、表現することはとても難しく、言葉では言い表せない。

「君に出会えて、どれだけ幸福か……」

伝えられたらいいのに、と可愛らしい寝顔にキスをして…―――。
目が醒めるまで君を見つめていよう。

「僕の夢を見てくれるかな?」


fin.
***
お題*初夢


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