音にならない声が聴こえる。
まるで心だけで想いを通わせているような錯覚。
全ての始まりは望んだ想いの成就だった。
それは、例えば夢の続きを見ているようで。
どこか儚く、硝子のように脆かったのかもしれない。
憧れた世界は美しくなかったから。
その存在だけがこの世界を彩って、魅せてくれていた。
ずっと側に、感じ続けていたもの。
聴き続けていたそれは『愛おしい愛おしい』と謳っているようで。
互いの心はひとつに繋がっていた。
応えた想いは確かに届いていた。
言葉にすると途端、消えてしまいそうな程に不確かで曖昧な感情。
それでも、息を吸うことも吐くことも、その存在がいなければ何も感じられない。
この世界に命の音がどれだけ溢れていようとも。
暗闇の先は凍えそうに冷え切った絶望の中だから。
もう二度と、大切な想いが踏み躙られないように。
忘れることすらないように、願った音は空気を伝って震動する。
重なり合う鼓動の音―――静まり返った世界に響く想いは永久の誓い。

「キュベリオス」

喉を引っ掻くように漏れる掠れた声。
熱く流れる毒を採り込みながらコブラは瞼を閉じた。
呼び続ける声は絶え間なく響いて。
音にならない声が寄り添うように啼く。
滲んで伝った熱は雫となって流れ落ちた。



夢でもいいから
ずっと、傍にいたかった


***
コブラ&キュベリオスイヤー。

コブキュ難しい。切ない。愛おしい。
そんなことを思った新年です。

2013年、明けましておめでとうございます。
如何せん段々と出没すら稀になってきていますが、FTへの愛は未だ募るばかりです。
むしろ溜まっていく一方です。助けて下さい。

今年ものんびりまったり好き勝手に楽しく過ごしていきたいと思いますので、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

*2013.01.01.*


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