「夢を見たんだ」

それは聞き逃しそうなほどに小さな声だった。
ルーシィはベッドの端に腰をおろして数秒逡巡した後、言葉を返す。

「どんな?」
「…君の夢」

きょとん、と見上げてくるあどけない瞳。
ゆっくりと滑らすようにその頬へと手をかけて、零れかけた金糸の髪を掬う。
ルーシィは、首を傾げてその手に自分の手を重ねた。

「ロキ?」

その声に、困ったように苦笑して続ける言葉に迷う。

「…うん…僕ってロリコンだったのかなぁって、ね」
「は?」

呆れたように困惑した表情のルーシィにくすり、と笑みを零して、

「ねぇ、ルーシィ…好きだよ?」

そう愛を囁けば返されるのはいつものあしらいの言葉の筈だった。
けれど、返されたのは熱を帯びた瞳に朱を彩る艶やかな頬。

「……あ、ありがと」

潤んだ唇から零れた優しい吐息。
まるで媚薬のようだ、とくらりと襲いかかった眩暈に理性が崩れそうになる。

「あ、あの…ロキ?」

重ねられた手を離すことはできなくて、もう片方の手で頭痛すら感じ始めた額を覆った。


君はいったい僕をどうする気なんだろうね…―――?


fin.
***
ロリコンだったのかと思うような夢って一体どんなんでしょうね?

唐突に書きたくなったのでリハビリ的ロキル。
うん、ずっと書きたくなかったんだけど何故か急にロキル書きたくなった(れおまじっく。

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