「よぉ、嬢ちゃん。二人で帰って何してたんだよ」

「何してたんだよー」と繰り返す人形たちを浮遊させながら仮面の男がにやにやと性質の悪い笑みを浮かべながら声を掛けてきた。
ルーシィは開いていた本の間へ栞を挟むと盛大な溜息を吐き出して、ビックスローを睨み上げる。

「別に、二人で帰っただけよ?」
「それだけか?」
「それだけだけど?」

不思議そうに首を傾げたルーシィにビックスローは苦々しく口許を歪めて。
そうしてギルドを見回すと愉しそうに口角を上げた。

「…嬢ちゃん」
「わ、なに?」

ずい、と近寄ってきた仮面に驚いて席を立てば、同時にすぐ側でテーブルが蹴り倒される。
視線を向ければ、桜髪がふわりと靡いて、怒りを露わに立ち上がったナツの姿。

「な、ナツ?」
「お前らって本当に飽きねぇな」

仮面を掌で覆って、盛大に笑うビックスローにルーシィは嘆息すると迷惑そうに眉を顰めた。


***
結局ナツもルーシィも自覚したけど両想いじゃないっていう、ね。
そしてそんな自覚ナツをからかうビックスロー。

愛も変わらずビックスローが好き過ぎてどうしようか。
また性懲りもなくビックスローのお話を書きたいと思います。

お付き合い、本当にありがとうございました!

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