1年のはじまり。

太陽が昇っていくのをマグノリアが見渡せる丘でひとり眺めながら朝焼けが綺麗だ、なんて珍しく感傷的な気分に浸る。

たくさんの出来事を思い返して、くすりと思いだし笑いなんかして、ああ、また新しい日々が始まるんだと実感していく。

昔を思い起こして、なんて淡々とした日々だったのかと複雑な気分になるものの、だからこそ今の生活がどれだけ充実しているのかを感じることもできる。

「ルーシィ」

丘の上でマグノリアを眺めている金糸の少女の後ろから声をかけるスーツ姿の星霊。

「ロキ……また勝手に出てきて、」

溜息を吐きながらそれでも優しく笑う彼女に穏やかに笑い返して、ロキは彼女の側へ近寄る。

「これからも、きみの側できみを守るよ」

彼女の髪を掬って唇を落とす。

ルーシィは、頬をほんのり赤くして、それから満面の笑顔でにっこり笑った。

「うん、こちらこそよろしくね!」

幸せだ、と消えることを覚悟していた頃を懐かしみながら噛み締める。

この少女の為に生きることが自分のすべてだと。

そうして命の寿命が尽きるまで二度と来ない同じ日を、同じではない似た季節を、同じ日にちとして、同じ季節として迎え続ける。

そうして一年の始まりを迎えよう。


fin.
***
お正月sss。
ロキルーというほどのものでもないけど、一応ロキルー。

2011年、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

*2011.01.01.*

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