きらきらと輝いて焼けるような太陽。
ゆらゆらと静まり返る闇に浮かぶ月。
混じり合う狭間に融けて鮮やかに映える夕焼け。
時が心を動かして。
心が身体を支配して。
意識がすべてを包み込む―――。
絶えず呼ぶのは伝えたい想いが溢れているから。
独りでは泣きたくなる夜も。
押し潰されそうに感じる不安も。
遠くで見守っていてくれる温かさに身を委ねるように。
鏡に映る自身を見つめて瞼を閉じた。
溢れ出るその感情に鍵をかけて。
カチリ、と錠が掛かる音を胸の内に感じてゆっくりと目を開ける。
決して交わらない空間へ手を乗せて、指まで伝えて。
自分に言い聞かせるように。
意識的に口許を引き上げた。

(…あたしは大丈夫だよ)

「ね、プルー…妖精の尻尾は寂しがってる暇なんてないくらい騒がしいもんね」

脳裏に浮かぶのはふわふわと靡く桜色。
無邪気な笑顔。
感情を表すように燃え上がる赤い紅い―――炎。
触れたところから広がっていく安心する体温。
不安な気持ちごと振り払う強い瞳。
引き寄せられるように混じり合う空気。

「…会いたい、な」

呟くようにそっと零して。
腕の中の星霊をきゅぅ、と抱きしめる。
いつからか誰よりも近くに感じていた。
呼んでいる声が…―――聴こえる。
瞳を閉じてその名を呼べば、今にもここに現れそうで。
沈みゆく意識の中で縋るように吐息を零した…―――。


fin.
***
夙夜夢寐(しゃくやむび):一日中。朝から晩までいつもいつも。また、寝ても覚めても思うこと。一日中、頭を離れず思い続けること。▽「夙夜」は早朝から夜遅くまで。一日中。「寐」はねる意。「夢寐」は寝て夢を見ること。寝ている間のこと。
*thanks 40000hit over*

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