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夏目友人帳 (2/6)
亡き友よ、新たなる友よ。

「そうか、レイコは死んだのか」


少年は麒麟を家に招いて茶を出した。
あの祖母を負かしたアヤカシモノだ、下手をして怒らせでもしたら祖母に名前を奪われたアヤカシモノなんて比にはならないだろう。
レイコが亡くなった事を麒麟に知らせると悲し気に麒麟は目を伏せた。


「人は儚いな」

「レイコは別だろ」

「そんな事はない。私にしてみたら皆同じだ」

「お前を基準にしたらな。レイコはここいら一帯のアヤカシモノの名を持っていたんだ」

「お前等が弱いんだ。人間に遅れをとるのだから」


いただく。と茶をなんとも器用に啜る麒麟に少年は驚いた。
傍らで猫が怒っているのも気にならないほどに。


「ところで、麒麟は祖母とどういう関係なんだ?負かしたって言ってたけど」

「ああ、レイコは私も子分にしようとしたがな、私の方が上だっただけの話さ」


それからレイコがここにいる間に気があってな、一緒に過ごすようになったのさ。と麒麟は懐かしそうに語った。


「して、なぜマダラはここにいる」

「コイツが死んだら友人帳を貰う約束をしたのさ」

「俺が死ぬまで先生に名前を返す手伝いをしてもらってるんだ」

「お前はレイコとは違うのだな。レイコはアヤカシモノを使役と言う形で仲間を得ていたからな」


すると四肢を折っていた麒麟は立ち上がり、少年に頭を寄せて、こう言った。


「夏目よ、私はお前が気に入った。その名前を返す仕事、手伝ってやろう」


少年の傍らで猫がひっくり返った。

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