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ハイキュー (2/4)
子猫の鳴き声

「名字、お前はどこのマネージャーよ」
「……音駒高校の男子バレー部のマネージャーです」
「で、ここはどこ」
「烏野…」
「前の学校の部活の人がいて嬉しいのはわかるけど、もうちょっと落ち着け」
「……はい」

首の根っこをつかまれて、名前はガクガクと揺さぶられている。それは練習試合にと仙台の烏野高校男子バレー部と会って騒いだからだ。
名前はもともと烏野高校にいたが、今は親の関係で音駒高校に転校し、男子バレー部のマネージャーを務めている。その前もやはり男子バレー部のマネージャーをしていた。なので、今回は前の部活のメンバーとあえて嬉しいのだ。

「まあまあ、音駒の主将。名字ももうちょっと落ち着け」
「澤村先輩…すみません、嬉しくて」
「名字!」
「黒尾先輩…すみません…」
「夜久、名字連れてけー」
「えー、そんな!まだ潔子先輩に挨拶してないし、菅原先輩とか、東峰先輩とか、縁下くんとか!」
「あとで会えるから。ほら、名字は名字の仕事をしなさい。どうもすみません、名字が」
「いいえー、名字は真面目だから心配はしてないんですけどね。お前はどこのマネージャーだ」
「音駒です…夜久さんのところ、行きます…」

名残惜しそうにとぼとぼと歩いて音駒のところに行く名前を見送る主将二人。
元同じ部活の先輩対現同じ部活の主将。元仲間もかわいいが、現仲間だってかわいい。少し名前が可哀想だとは思うが、ここは立場をハッキリさせておかないといけない。

「黒尾先輩に叱られました」
「それは名字が騒ぐからだろ」
「だって、友達と話したくて…」
「烏野だったんだっけ」
「はい…リベロの西谷くん可愛いんですよ」
「可愛い?」
「東峰先輩は大きくて格好いいし、潔子先輩は美人、菅原先輩は優しいし澤村先輩は大黒柱って感じで」
「うんうん、わかったから準備しような名字」
「…はい」

夜久に背中をポンと叩かれ、我に返る名前。そうだ、だから叱れたんだと思い出す。
一応のために持ってきた救急セットを確認したり、帰りの時間の確認、メモを取るための用紙にノート。ここの体育館は前にも使ったことがあるからトイレとかの配置を確認しなくても大丈夫だし…といろいろ考える。

「名前ちゃん、名前ちゃん」
「潔子先輩!」
「久しぶりだね、元気だった?」
「はい!あの、挨拶が遅くなってすみません…」
「そっちの主将に叱らてたもんね」
「お恥ずかしい…」
「名前ちゃんがまさか音駒だと思わなかったわ」
「えへへ…メールしようかって、思ったんですけど…迷惑かなって、思って」
「してくれない方が悲しいよ。それじゃあまたね。今日は負けないから」
「わ、私たちも負けません!」

合間を見て声をかけてくれた前の学校の部活で同じくマネージャーをしていた先輩。美人で同じ学年の田中と西谷がよく懐いていたのを覚えている。その代り、相手をされているのは見たことはなかったが、今はどうなのだろうと名前は思った。しかし今それでぼやっとしていれば、また黒尾に叱られてしまうのはわかっている。名前は切り替えをしなくっちゃと自分の頬を叩いて気合いを入れなおした。


「おー、名字久しぶりだな」
「わあ縁下くん!」
「ずっとソワソワしてたね」
「だって皆と話したかったんだけどさ、試合だし」
「音駒の主将さんに叱られてたね」
「こ、今回だけだよ。普段叱られない」

あははは。と笑っていれば、同じ学年だった田中や西谷もやってくる。

「よう名字!相変わらずでけえな!」
「西谷くんも相変わらず可愛いね」
「なにおう!」
「田中くんは坊主が似合うぜ…!」
「おうよ!お前そっちの主将に叱られすぎだろ」
「いつもじゃないもん…」
「そうです、今日はちょっとハメ外しすぎよ名字」
「ああああ黒尾先輩…すみません…」
「喋ってないで早く片付けしろ」
「はいい…」

後でメールするからねー!と大声でいう名前に、音駒主将が「その前に部誌書いて」とトドメを指していた。

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