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鶺鴒 (20/21)
葦牙ちゃんと憂鬱/篝

連主女/葦牙くんの憂鬱に微妙にリンク



「で、最近どう?」

「んー、まあ、それなりに」


久しぶりにあった名前と篝。
数日前に篝からのメール。
「久しぶり、今度会わない?」と短文。
篝とは出雲荘での仲間。
何かと名前を気にかけてくれていた篝。
ホストという仕事柄女の扱いにも慣れていて、欲しい言葉もくれる。
ヘコんだときには必ず相談に乗ってくれたり、励ましてくれたりした、ある意味兄のような存在だ。


「しかし、名前も名前だね。せっかく食事に誘ったのに…ファーストフード?しかもテイクアウトで公園で食べるとか」

「久しぶりに食べたかったの。この油っぽいのとか」

「体に悪いよ」

「コーラも飲みたかったし」

「炭酸系好きだったもんね」


ストローに口を付けて吸う名前。
ゴクリ、ゴクリと飲んでプハッと息をする名前を見て篝は笑った。


「元気そうで良かったよ、名前」

「まあ、お陰様で」

「今なにしてるの、仕事」

「んー、色々?雑用とか、そんなの」

「虐められてない?」

「……ない」

「本当に?今の間が気になるんだけど」

「虐められてない。ただ、気苦労が…なぁ」


ちょっとした板挟み。と苦笑する名前。

篝はセキレイで、出雲荘には情報通というマニアがいるから名前の今の状況は知っている。
懲罰部隊筆頭の葦牙。
それに加えてまだセキレイを持っている。
しかもシングルナンバー。
いわば能力の高い葦牙の一人だ。


「ねえ、名前。仕事がツラかったら、いつでもおいで。甘やかしてあげるから」

「なに、それ。仕事で使ってるやつ?仕事だけで使え」

「ひどいな」

「ひどいのはそっち。そんな甘やかされたら自分で立てなくなる。…それに、今は大丈夫」


名前は少しだけ困った様に笑った。

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