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UN-GO (2/2)

「ねえ、探偵さん」

「なんだ」

「私どうなるのかしら。たいした問題じゃないけれど」


ある事件が終わった。
目の前にいる若い女は、「そういえば」と思い付いた様に聞いてきた。


「このまま警察に連行されて刑務所に入れられてしまうの?」

「…いや、アンタは加害者じゃない。むしろ大きな意味での被害者」

「でも当事者にでしょう?私に非が無くても」


自由とやらになれはしないのね。と女は小さくため息をついた。
慌ただしい周りに関心を向けるでもなく、ただ姿を消そうとしていた俺に声をかけた事件の中心人物の名前。


「その件については警察か検察にでも聞いてくれ」

「…それもそうね。でもね、私、貴方に聞きたいことがあるの」

「…聞きたいこと?」

「どうして助手が上司で上司が助手なの?それにその子、人じゃないでしょ」


その言葉に因果は口が弧を描いた。

なんだ、何故だ。
何者だ、この女。違う、知っている。この事件の中心人物だ、被害者だ大きな意味での。
それ以外では何も知らない。それだけの関係だ。


「そんなに焦らないで、別に誰かに言うつもりはないから」

「ねえ、おねーさん」

「なに?」

「おねーさんの魂は美味しそうだね」

「そう?劣化してしていると思うからオススメはできないけど」

「そんな事ないよ…だって、こんなにも特殊な能力があるだから」

「因果、お前…」


きゃー!新十郎が怒ったぁ!!と騒ぐ因果。
でも今は因果じゃない、この女、名前だ。
その能力は口八丁でシンボルにさせられただけで普通の女のはずだ。ただの、普通の、女のはずだ。


「私、自分以外の特殊な存在に会えて良かったわ。もう会うこともないと思うけど。探偵さん、時間をとらせてごめんなさい。刑事さんか…ケンジさん?に聞いてみるわ、ありがとう」

「…、待て」


気が付いた時には名前の手を取り、横でまた因果が騒いでいたがそんな事はどうでもいい。

不思議そうにしている名前に、自然と口が開いた。


「…恐らく、連れて行かれるとしても保護だ。すぐに連れて行かない理由はそこだ、だから自由にさせている。いいか、余計な事は言わずにいろ。そして早く解放してもらうんだ」

「…わかった。それで貴方が迎えに来てくれるのね」

「……、ああ」


わかった、待ってる。と名前は笑った。

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