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pkmn2 (13/20)
バトルはほどほどにしませんか

「もう…やめませんか……」

バトルタワーでのバトル。最初はキバナとダックを組んでダンデに挑み、次はシングルでやろう!と言われるがままに数回バトルした。
流石にここまでバトルすると疲れるわけで、名前もあの時ほどの勢いがないので早々にばててしまっている。
ついでに言えば、名前は早々にリタイアしたがキバナが粘って粘って粘っている。

「「もう一回!!」」
「……あの、そろそろチェックインなので…エンジンシティに」
「あ、そうだった。悪ぃ、ダンデ終了だ」
「スボミーに泊まるのか?ロンド・ロゼに泊まればいいのに」
「そんな予算ないですよ…」

ボールに入れたままというもの可哀想だし、二人のバトルの見学がてら手持ちポケモンたちと見ていた。
確かにシュートシティのロンド・ロゼは良いホテルではある、しかし良いホテルだからこそ高いのだ。ついでに言えばキルクスのホテルだって高い。そもそもああいうホテルは金のある人間が使うのであって、名前の様に急に休暇をとらされてきた人間とは住む世界が違うのだ。
一般人が泊まるにはかなり無理をしないといけないし、名前はする気はない。

「飯どーするよ」
「そうだな、名前が来るのがわかっていればどこか予約したんだが…」
「どうせだからナックルシティで飯食って行こうぜ。オレ様奢ってやるよ」
「それは嬉しいな」
「ダンデじゃねえよ、名前だ名前」
「え、あ…そんな、悪いです」
「なーに、言ったろ?アローラで世話になったんだ。それにナックルシティは庭みたいなもんだ、それこそ案内してやるよ」

名前が困っているとルカリオとミロカロスが威嚇を始める。
それには二人も驚いた後に笑い始めた。どうやら名前をいじめているとでも思ったのだろう。それはアローラでも同じような事があったからだ。
どうやら名前のポケモンたちは酷く過保護らしい。

「いじめてないぞー?」
「君のポケモンは過保護だな、決勝ではあんなに勇猛果敢だったのに」
「あれじゃね?博士ら曰くすぐ無茶するからコイツラが止めてんの」
「あー、」
「……」
「反論しないっつーことは、そうなのか…お前、ポケモンたちにまで…」

うっと哀れむような仕草で名前を見るキバナにあえて名前から目線を反らすダンデ。
ダンデの方は名前と似たような心当たりがあるのだろう、キバナに乗らないのが証拠だ。
名前も名前でその態度に少々腹が立ったのかポケモンたちをボールに戻すと荷物を持って「それでは私ホテルに行きますので、お疲れ様でした」とその場を後にする。
初めての建物と言えど一度通った道をすぐさま戻るくらいどうと言う事はないし、シュートシティであれば前にも来たことがあるし大体の配置も覚えている。
それに迷えばファイアローを出して周辺を見てもらえば困る事はない、そう判断して名前は個人行動することにした。そもそも休暇なのだから、と。

「待て待て、冗談だよ。まあとりあえずナックルシティで飯食ってからスボミーインまで送ってやる。なあダンデ」
「ああ。それに言ってくれればロンド・ロゼ手配したのに」
「……あの、チャンピオンとジムリーダーってそんなにもうかるんですか…?」
「まあそれなりに、だな。ダンデはオレ様よりスポンサー沢山ついてたし、今もついてるしタワー支配人だし」
「…………ガラル恐い…前来た時も沢山あったけど……」
「ガラルではポケモンバトルがエンターテイメントだからな!だからそここれだけ盛んになったわけだ」

確かに。と思いながら後づさり、逃げる体勢を続ける名前。
しかに大の男二人には軽々妨害され、荷物を増しても奪われた。そしてまたアーマーガアのタクシーに放りこまれ、ホテルではなく食事に連行された。

「キバナさん、バーネット博士と連絡取り合っていますよね」
「…よく分かったな」
「やっぱり…」
「ということは、じゃあ名前の情報はそこからか…オレにだって教えてくれてもいいだろう?」
「いや、ダンデお前そしたらホテルに食事にって度がな…連絡は来てるし、名前がちゃんと飯を食ったかを報告するぜ?頼まれているからな」

ナックルシティのジムに併設されているレストラン、というよりも食堂。そんなところがあるとは名前は勿論知らなかった。聞けばここはジム関係者が利用できるところらしい。一応関係者の関係者であれば入る事ができ、ここならばファンやメディアが入る事はなくゆっくりと食事が出来るらしい。
アローラにはない文化なので、名前にも勿論馴染みはない。そもそもここまでジムやリーグが盛んな所はガラルしか知らないのだが。

「名前はそこまで仕事が好きなのか?」
「…………そう、言われると…どうなんでしょう…仕事というより、ポケモンが好きです」
「君のポケモンは懐いているもんな」
「ま、アローラで博士たちにも世話になったからな。それも兼ねてるってだけだ。でだ、明日はどうするよ」
「………その前に、服を買わないとなので。気候が違うので最低限の物しかなくて」

それからワイルドエリアへ…と続ける間もなく「んじゃ飯食ったらブティックな!」と言われてしまい、名前はもう文句を言う元気もないので「明日が良いです…」と言うがダンデに「風邪ひくぞ!」と何故かダメ押しされてしまった。

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