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pkmn2 (7/20)
ガラルでのオネーサン

「で、ガラルでの名前はどうだったの?」
「そうそう。そこだよそこ」

夫婦の家の浜辺にテントが3つ。そこには名前のポケモンと夫婦のポケモン、そしてキバナのポケモンとダンデのリザードンがワイワイと遊んでいる。
食事を早々に終え、大人ならではの酒を片手に本題と言わんばかりのバーネットにククイもうんうんと頷いて加わる。

「その話はいいじゃありませんか…」
「よくない!よくないよ名前!送り出して笑顔で帰ってきたのはいいけど、あんまり話してくれないじゃない」
「そうだぞ。トレーナーとして飛躍したのはわかるが、それ以上にどんな旅だったのかが知りたいんだ。でも名前は『そうですね、楽しかったです』じゃなんだよ」
「まー、ジムリーダー視点で言わせてもらえれば冷静沈着冷徹無比」
「それ酷すぎませんか…私そこまでじゃないと思いますけど…」
「そうだぞキバナ。名前は熱いバトルをするチャレンジャーだ。あの最後の一撃、今でも思い出すと興奮するぜ…」
「ふむふむ、名前は時に熱く、そして時に無情に攻めるのね。施設での名前とは大違いね!」
「そうだな!いつもポケモン第一で人の事ばかりの名前がな…」
「バーネット博士が名前に推薦状書いたって本当ですか?」
「ええ、そうよ。ガラルに行かせて、着いたって連絡がきてから数時間後だったかしら」

その時の名前ったらすごいのよ。と笑いながら話し始めるバーネット。
その話は多分するだろうと名前が予測していたが、やはり始まった。まあこの話を避けては通れないのはわかっていた。しかしその話をされる名前にも気遣って欲しい。

「『私、ガラルのリーグに挑戦したいんです!推薦状書いてください!!』って」
「もういいじゃないですか…その話」
「駄目よ駄目。それで言われるままに推薦状を書いてね。ふふふ、あんなに勢いのある名前なんて初めてだった」
「確か空港のテレビでポケモンバトル見たんだっけ?それで連絡が来たんだよな」
「はい。確か…ダイマックスしたジュラルドンとリザードンだったと思うんです。あの大きいポケモンを見て空港の人に聞いて、それから委員会に連絡したんです」
「と言う事はオレ達のバトルだな」
「ジュラルドンとリザードンといえばオレ達だからな。ってことはエキシビジョンのやつだな」
「ポケモンバトルがあんなエンターテイメントになるなんて衝撃的でした…」
「で、参加したくなったってわけか」
「普段の名前じゃ考えられないわよね」

楽しげな雰囲気につられてポケモンたちが各自のトレーナーに寄ってきた。

「あ、もしかしてこのジュラルドンとリザードン?」
「そうですね。エキシビジョンであればオレとキバナのポケモンでしょうし、その2匹以外にジュラルドンもリザードンもいません」
「そのダイマックスっていうのは確かガラルの」

ポケモンの研究者の業というのだろうか。名前の様子も気にはなるが、やはりポケモンの方が気になるのは仕方がない。それにジュラルドンはアローラではいないポケモンだ。気にならない方がおかしいのだ、研究者としては。
ジュラルミンの様に白く、そしれ美しいボディ。硬い外装のような表皮。ノックをすればコンコンといういい音がしそうで興味はまるで尽きない。
二人の興味が名前ではなくなくなったと思った名前はそっとその場を経ってお酒が入っていたグラスを洗ってお茶を淹れて戻る。

「で、ポケモンが大きくなるんです。でもまだ確かな事は不明なんですが」
「へー。ゼットリングみたいな感じなのかしら」
「ゼットリング…たしかゼット技の」

お茶を手に戻ってきたが、ポケモンたちがチョイチョイと手を引いて遊ぼうと誘ってくる。どうやら名前が居ても居なくてもあまり変わらなそうだし研究者としての側面が出てしまっているので名前が席を立ったことにも気づいていない。
それならば声の届くところで遊んでも問題はあまりなさそうだと思い、誘われるままに席を立つ。

「あんまり騒いじゃ駄目だけど、何しようか」

するとファイアローがバックからボールを持ってくると他のポケモンが喜んだので、それを投げて遊ぶことにした。
確かにガラルではよく遊んでいたけれど、アローラに戻ってからは遊ぶ事はなくなった。
それはキャンプもしないし財団の施設ではポケモンたちもジョブの様に仕事をしているので遊ぶ時間というものが少なかった。

「よーし、いくよー」

ぽーん、とボールを投げると一目散に走り出す。足の速い子が一番にとり、遅い子はその場で次のボールを待つ。なかなかに頭脳を使う子が居て名前は思わず笑ってしまった。ガラルに居た時はよく遊んでいたのでひとつのボールに皆が集まる事はなかったが、久しぶりだとこうなるらしい。

「…遊んでなかったもんね」

ボールを渡してもらい、もう一度、もう一度、もう一度。
何度も繰り返すと何とか全員が一回はボールに触れて名前に渡すことが出来たらしい。
次は次。という言葉が聞こえてきそうな表情をしているポケモンを見るのは久しぶりだし、本当に長い間遊んであげられなかったという事実をまじまじと突きつけられた気がする名前。
そんな事をぼんやりと思いながらポケモンたちに言われるがままボールを投げていると後ろからツンツンと引っ張られる感覚に振り向けば、他のポケモンたちが仲間に入れてほしそうにしているではないか。
目線を博士たちにしてみれば、どうやら談義がはかどっていてこちらの事に気づいていない。どうやらポケモンたちもあっちの話は面白くないし、こっちではボールで遊んでいるから仲間に入りたくなったようだ。

「よし、じゃあ皆で遊ぼうか」

幸いな事にキャンプマスターから貰ったボールが数個ある。それを順番に投げれば何とかなるだろうと思いながら名前は順番に投げ始めた。

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