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pkmn2 (6/20)
お酒は楽しく正しく

キャンプの道具持参して。とダンデに言われ、ああそれなら大丈夫か。と名前は納得した。
泊まるにしてもガラル出身者のポケモン関係やとガラルでリーグ経験者であれば大体がキャンプセット。それがあれば野外だろうがなんだろうか大抵の事は対処できる。
名前は近くに居たニャオニクスに自分のポケモンたちに一緒にククイとバーネットの家に行くかを聞いて来てくれと頼み、名前も泊まりに行く準備を始める。普段真面目に働いている名前なんだから今日くらいそんな事をしたっていいさ、とククイが許してくれたのだ。

「お待たせしました」
「思ったより早かったな、ポケモンたちも集まったか?」
「はい、大型のガブリアスとミロカロス以外は自分で来てくれたので」
「名前のポケモンたちは施設内自由だからな」

ははは。と笑いながら連絡船に乗り込む。そこにはもう待っていたダンデにキバナ、そしれハラが話している。
二人に気付くと手招きをしてくれたが、名前は軽く会釈をして運転手に揃ったと声を掛けにそこから離れる。離れると言っても小さな小型船なのですぐ戻る事ができるし、何より声を掛けに行くというのはわかっているので誰かが咎めるという事はないのだが。

「名前くん、君は島巡りをしないのかね?」
「島巡りですか?そうですね…ここに来てまあまあですから、改めてって事は今は考えていないです」
「名前はアローラの人間じゃないのか?」
「名前はカロスから来たんだ。カロス地方のプラターヌ博士からの紹介でね」
「博士に知り合いが沢山いるんだな、マグノリア博士は?」
「ガラルの博士の名前だな、確かダイマックス研究の」
「その博士はお名前だけです。それにガラルの推薦状はバーネット博士にお願いしましたし」

博士に知り合いがいると言っても、そんなに多くはないですよ。と名前はいう。
備え付けのポットからコーヒーを淹れて全員に配る。ニャオニクスを出してもいいのだが何分この連絡船ではスペースの限りがあるので、そこにポケモンを一体というとそれなりに狭くなってしまう。それに名前は部下であるので、やらねばならない。

「そこまで働かなくてもいいんだぞ?もう勤務時間じゃないんだ」
「クセ、みたいなものなので。迷惑でしたか?」
「そうじゃないが…」
「名前くん、君はまた疲れて倒れてしまうよ、そんな事では。休暇を得て何を学んだのだね?」
「なに?名前働きすぎて倒れたんすか?」
「そうそう。名前はここに来る前も働きすぎてボロボロになって、それを見かねたプラターヌ博士がこっちにって来たんだ。それでもここで働きすぎてね、それで休暇にガラルに行ったんだけど…」
「い、いいじゃありませんか!」
「よくない!せっかくの休暇に休まないで。でもガラルでの体験は良いものだったみたいだからいいけど」
「でもククイ博士、名前休憩する間もなくジムに駆け込んでたぜ?知り合いのジムリーダー3人で見送るんだけど、名前それさえも受けることなく次のジム目指したって話だ」
「ああ、確かルリナが驚いていたな、そんなチャレンジャーが居て」
「名前…?」
「だ、だって時間が…」

ひいん。と名前が弱気になると、ポンという音と共にニンフィアが出てきて抗議をするかのように吠えた。
どうやらボールの中で名前がいじめられていると思ったらしく、その戦いに参戦した様子。見れば他のボールも揺れているので他のポケモンたちも抗議している様だ。

「はっはっは、ニンフィア。誰も名前くんをいじめてはいないよ。皆心配しているんだ、君のトレーナーは頑張り屋さんだからね」
「そうそう。非常に優秀なのはいいんだけど、全速力が過ぎるんだ。お前もわかるだろ?」
「あ、ニンフィアまで…」

どうやら名前の味方になってくれると思われたニンフィアもそれには心当たりがあるらしく、体制をさっと変えて名前に向き直って文句を言う様に鳴く。
名前とニンフィアは一番付き合いが長く、そして名前が一番最初にゲットしたポケモンでもある。元はイーブイだったのが進化したのだが、その時にまた一悶着あったのは別の話になるのだが。それだけ付き合いが長いのでニンフィア自身も名前の性格をよく知っているのも事実。ニンフィア自身も名前の過度な頑張りに冷や汗をかいたのは数えきれない。これは名前を擁護する場合ではなく名前を叱る側にならねばと思ったのだろう。愛らしい鳴き声で人間よりも名前に文句を言っている。

「ニンフィアに叱れてやんの」
「名前とニンフィアは一番付き合いが長いらしいから思うところが多いんだろうな」
「しかしポケモンに叱られるとは…どれだけ無理をするんだね?」
「その言葉はダンデも耳が痛いな」
「うるさいぞ…」
「おや、君もかね?」
「こいつ方向音痴で相棒のリザードンが居ないと行方不明になるんすよ」
「方向音痴と同じ…?」
「同じか?それ」

ははははと軽快に笑うククイとハラとキバナ。それに居心地の悪そうな名前にダンデ。
それに反してニンフィアは「まだ話は終わってないんだけど」いう様にタシタシ前足を地団駄するように動かしていた。

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