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pkmn2 (3/20)
レッツ ロイヤルバトル!

「あー!ロイヤルバトルしてるー!!」
「バーネット博士、アローラ」
「アローラ!名前。あの二人は誰?」
「ガラル地方の元チャンピオンのダンデさんと、同じくガラル地方のジムリーダーのキバナさんです。オフでアローラに旅行に来ていたのを偶然空港で会ったんです」

施設内のバトルフィールド。ロイヤルバトルに対応しているつくりなので、ザオボーに連絡をしたら本当に走って来て今まさにバトルをしているのだ。
それをスタンドでニャオニクスと並んで見ていた名前に気付いたのかどうかは知らないが、バーネットがやって来て驚いたのだ。

「ああ、名前が行ってたガラルね。あの時は驚いたわ、名前が推薦状が欲しいんです!って」
「私も驚いています、あんなに行動的になるのは多分あの時だけだって。短い時間でしたけど、とても濃い時間でした」
「でも帰ってきた時の顔見て、本当に良かった。元気だったし、輝いていたよ」
「ご心配をおかけしました。今度はそういうのじゃなくて、観光もしたいし、ポケモンも捕まえたいし、またキャンプしたいなって」

そんな歓談をしながらロイヤルバトルを二人で観戦する。
ザオボーの方はアレだが、ククイとダンデとキバナはやはり強い。ザオボーも弱いわけではないのだが、他の3人に比べれば腕は落ちる。
二人が思っていた様に、ロイヤルバトルでは一番先に落ちたザオボー。しかしながら長年憧れだったククイ(ロイヤルマスク)とバトルが出来て満更ではない様子だ。

「誰が勝つと思う?」
「そうですね…ククイ博士とダンデさんの一騎打ちまで読めるんですが」
「あの髪が長い彼?」
「はい。ガラルでは無敗のチャンピオンでしたら、今は元が付きますが実力は確かです」

名前とてアローラで生活をしている。故にロイヤルマスクの実力だって知っているのだ。勿論ダンデやキバナの実力を経験している。しかし、ダンデとククイの能力の高さにはキバナは紙一重に届いていない。それを名前が口にしてはいけないのを名前自身わかっているので言わないが、ダンデはやはり強い。

「ククイくーん!頑張って―!!」
「!あ、バーネット!?」
「隙あり!」
「あ」
「あー…」

思わず出た声援なのだろう。それに一瞬だけ気をとられたククイに二人のポケモンが集中攻撃をして、沈黙。
それにはククイだけではなく、バーネットもザオボーも、勿論名前も驚いた。

「……もしかして、邪魔した?私」
「……………」
「ねえ名前!」
「そ、それに関しては私はなんとも……」
「えー、うそー!?」

腕を掴まれ、がくがくと揺さぶられた名前。隣のニャオニクスはどうにかやめさせようとバーネットと名前の間に入ってバーネットを押してみる。

「あ、ごめん。いじめているわけじゃないのよ、ニャオニクス」
「大丈夫です。これだとちょっと面白くないですよね」
「どういうこと?」
「だって、あの二人の組み合わせガラルでは日常だったので」
「あっちはジムリーダーとチャンピオン戦うの?日常的に?」
「ええ、まあ。ガラルではスポーツとしてテレビ放送とかしていて、リーグでジムリーダーとチャンピオンがよく対戦していました」
「へー!面白いのね」

ニャオニクスは名前とバーネットの間に無理矢理体をねじりこませ、その間にちょこんと陣取った。どうやら名前を守る気でいるらしい。
アローラに比べてポケモンバトルはテレビ放送が盛んだったのは印象深い。アローラではジムが無いし、島巡りも修行の観念が強い。
ポケモンのバトルの文化が大きく違うのだからそれは仕方ないが、それにしてもあちらのバトルはエンターテイメント性が非常に高く、トレーナー個人のファンもいて多種多様だった。

どん。という轟音がして勝負がついた。
ダンデのポケモンがフィールドに立ち、雄叫びをあげて勝利を宣言している。いつもはガオガエンがしていることを違うポケモンがしているというのは少し新鮮だ。

スタンドを降りて戦っていた4人の所へいく。その前に冷やしておいたドリンクを持ち、ニャオニクスにはタオルを持ってもらう。

「ククイくん、ごめーん。まさかあんなになるなんて思わなくて」
「大丈夫。いやー修業が足らないな」
「紹介します、バーネット博士です。バーネット博士とククイ博士はご夫婦なんです」

それとドリンクとタオルです。と一人一人に渡していく。
ザオボーの息の上がり方は酷いが、他3人は日頃鍛えている事もあって弾む程度。
ザオボーは研究者なので鍛えるという事とはあまり縁がないだろう。しかしながらロイヤルバトルの観戦だけは熱狂の部類になるのだが。

「…名前、騙しましたね」
「はい?」
「こんな…つ、強いなんて…聞いてません…」
「ザオボーさん、私一言も弱いとは言っていません。それに、ククイ博士とロイヤルバトルをしませんかとは言いましたが、他の人を言おうと思ったら電話を切ったのはザオボーさんですよ」
「…ぐぬぬ、それが上司への言葉使いですか」
「残念、名前はザオボーの部下じゃないわよ」
「ですが!私の方が立場が上……でした、今は違いますけど」

名前がガラルに行く前は確かに名前よりも上の立場ではあったのだが、今では同じといっていいだろう。どうやら名前が不在の内にトラブルを起こして失墜したらしい。詳しいことは教えてもらっていないが、とりあえずそういう事らしい。

「ククイ博士、そろそろハラさんがいらっしゃる時間です」
「あ、そうか、今日だったか…」
「ハラさん?」
「島キングのハラさんです。島キングとはガラルでいうならジムリーダーのような人です。あ、バーネット博士視察の時間は大丈夫ですか?」
「あー!いけない!!忘れてた!まだギリギリ、ギリギリ大丈夫!名前ありがとー。じゃ、私はこれで。ザオボー、名前イジメたら許さないから」
「い、いじめませんよ!」
「いじめられません」
「すまない、名前あとは頼んだ。すみません、色々説明したかったのですが…」
「いえ、施設を見せてもらいながら名前から教えてもらいます」

バーネットに続きククイも急いでその場を後にする。
一応は博士で忙しい日々を送っているのだ。ただ研究などに一辺倒ではないのはもしかしたらここアローラの気候に関係しているのかもしれない。

「名前!こうなったら勝負です!」
「勝負、ですか?あの、私二人をご案内する仕事がありまして」
「…ぐ、そ、それは…」
「名前、してやればいーじゃん。オレらバトル見学がてら休憩すっからよ」
「でも…」
「お客様もそういっているんです、私と勝負なさい。それとも負けるのが恐いんですか?」
「いえ、それはないですけど」
「ふん!ならいいでしょう。さあさあ貴女のポケモン呼んで来なさい。あ、弱くて恥ずかしいならそこのお二人のポケモンをお借りしても私は構いませんよ?どうせなら6対6にして」

あからさまに名前を見下しているザオボー。
ここまで来ると逆にすがすがしいくらいだ。
その傍若無人なザオボーの態度にダンデとキバナは苦笑している。それに対して名前は特に変わる様子もなく「そうですね…」と呟いた。

「6対6、でいいんですか?」
「ええ」
「いいんですね、わかりました。じゃあ皆を呼びますね」

指を口に咥え、指笛を「ピュウイ」と吹き鳴らす。

「な、なんですか…」
「呼んだんです。一匹一匹呼びに行くより効率的ですから。ニャオニクス、準備運動しておいて、久々のバトルだからね。あと今から大きい子呼んでくる」
「ふ、ふん!どうせあなたの主戦力はそのニャオニクスにニンフィアの可愛いポケモンじゃないですか」
「あ、知らないのかアンタ」
「え?」
「確かに名前の主力はニンフィアやニャオニクスだが、それだけじゃないぞ」
「まあまあダンデ。それは面白そうだから黙ってようぜ。じゃあオレ達スタンドで見てるわ」

ニイと笑った二人とは反対に少しだけ不安そうにしているザオボー。
時間は経っているが名前はこれでもガラル地方元チャンピオンと一騎打ちまで行ったトレーナーである。
持ちポケモンがただ可愛いだけであるはがない。

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