企画! | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




|||ご主人様はお年頃?

「…とりあえず、話を聞こうかな」

名前は困ったように笑ってはいるが、その本心は読めずにセイバーとキャスターはサッと目をそらし、ランサーに至っては大きな溜め息をついて言葉を待っている。

「セイバー?」
「な、ななな、あ、あれだ奏者よ。なあ?」
「キャスター?」
「わ、わたわたわたわたしは、ご主人様をお守りしようと思いまして」
「ランサー?」
「大河殿が今日主が見合いだとおっしゃり、その二人が暴走した次第です」

ランサーは事実だけを名前に話し、2体のサーヴァントはキッと睨み付ける。
しかしランサーは自分は巻き込まれ、被害者でもあるので全く引く気はない。

「まったく…どうしてそんな、邪魔なんてしたの?」
「だ、だってだな…奏者が嫁にだなど」
「ご主人様の純潔を他人、しかも人間ごときに奪われるなんて…」
「そんな!」
「…そんな!」

耐えられない!と2体のサーヴァントの声が重なった。
うるうると涙を湛えた4つの瞳はずいずいと名前に迫ってくる。

「どうしてそんな大事なことを黙っていたのだ!」
「そうですよ!ご主人様は私をお嫌いになられたのですか!?」

おちつきなさい。と名前は2体のサーヴァントの額をツンとつき、元いた場所に座らせる。もうこの2体のサーヴァントの扱いも慣れたもので、またかと内心呆れている。

「ランサー、どうして二人を止めてくれなかったの?」
「止めしましたが俺の力だけでは…流石に二対一では分が悪く」
「……私も大河ちゃんが漏らすとは思っていなかったから、口止めしなかったのも悪かったのよね…」

はあ。とワザとらしく、いま、ワザとではないのだがワザとらしくなってしまった溜め息をもらす名前。
その大きな溜め息を聞いて2体のサーヴァントはサッと顔色を悪くして珍しく顔を見合わせて目で会話をしているではないか。

「よ、よもや奏者は余らが嫌いになり、婚儀をすると…いうまい、な?」
「…そ、そうなったら…私、その相手呪殺します、いや、男としての機能を殺してやりましょう」
「おお、それは良い考えだ。去勢もついでにしてやろう。そこの槍兵の槍で癒えぬ傷を与えてやろうぞ」
「貴様などに我が槍を扱いきれるものか。その前に槍の錆にしてやろう」

再び険悪な雰囲気になるサーヴァント達。元より仲の良いとは言えない3体だ、ここで喧嘩されても収集をつけるのは一苦労だ。
おほん。と作った咳払いをして注目を名前に集める。

「あのねランサーはしっているんだけど、私結婚するつもりはないからね」
「…へ?」
「はい?」
「世話焼きなおばさんがいてね、それで私にお見合いの話を持ってきては断りきれなくてね…」
「ですが主、御年を考えれば頃合いかと思いますが」
「ランサー」
「…はい」
「で、いつも『私にはもったいない人で…』ってお断りさせていただいてます」

すると2体のサーヴァントの顔は見る見る間に明るくなり、きゃー!と叫ばんばかり。

「ただし、今回の乱入事件を許すわけにはいかないので」
「…で?」
「来週まで魔力供給は無し!各自食事等で補うこと」
「なっ!?」
「自業自得だ」
「ランサーも」
「な、なぜですか主!」
「説得できなかった罰」

三者三様の叫びが響くなか、名前はちょっと酷かったかな?と思っていた。




[*prev] [next#]