TIGER&BUNNY | ナノ
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アフタヌーン

「…?あ、」

「やあ」


ある日の午後。
天気もよく、何の気なしに外にでて散歩。
特に目的もなくフラフラと公園を歩いていたら後ろから肩を叩かれ、振り返れば爽やかな笑み。


「グッドマンさん」

「キースでいいさ。毎回このやりとりをするな!」

「どうしたんですか?キースさんも散歩ですか?」

「いや、ちょうど英雄名くんの姿が見えたら来てみただけだ。そうなると君は散歩というわけか」


健康的だな。とさらに爽やかに笑う。
彼は誰に対しても人当たりが良い。流石はキング・オブ・ヒーローと言ったところだ。


「プライベートなので、その名前はちょっと…」

「ああ、すまない…いつもの癖だ」


素直に謝るところ、そして何より彼は人に好かれるのだ。
だから許してしまうのだろう。
琉伽は「人が少ないので許します、ヒーロー」とわざとらしく言って見せた。


「よく私が判りましたね」

「君の髪色は特徴的だからね」

「あー…そうですね。悪目立ちしますよね…」


そう言って琉伽は自分の髪を摘んだ。
琉伽の髪は本来は黒。しかし琉伽は興味本意で髪を染めた。
それを綺麗に保っているのならいいのだが、琉伽はそれを放り、根元から黒い色が数センチ覗いている。


「悪目立ち?何がだい?」

「だって、だらしないし…」

「どこが?」

「いや…染めるなら染めるとか、こんな中途半端に地毛の色見せないとか」

「一目で君だと解るから私はいいと思う」

「だらしないのがお似合いだとおっしゃりますかっ」


ち、違う!そういう意味では…と焦るキース。

琉伽としては正直お洒落というものが面倒であり、疎い。
よくその頭も年頃のカリーナや、お洒落に関してはうるさいネイサンに言われる。
琉伽もそれなりにいい歳であり、何よりも大人である。
ネイサンは別としても年下のカリーナにそう言われるようでは琉伽の疎さも筋金入りといえよう。


「別にいいんです…どうせ」

「いや…だから…」

「ダサいとか…だらしないとか…解りきってるんです…」

「どんな場所でも君を見つける事が出来る素晴らしい髪色だ!君の髪色ならば、君を他の誰かと間違える事は決してない!!」


いきなりの大きな声に驚いた琉伽。
それに対してキースはしてやったりとした満足そうな顔。


「それに、その髪で君の価値が決まるわけじゃない!君にはファンが沢山いるじゃないか!」

「仕事はウィッグ被っているので髪色関係無いですね。それに顔もゴーグル付けてるので判別されたら困ります」


琉伽のスパッと切り捨てた言葉にキースは少し涙目になりながらも、違うんだ…と小さく呟いた。