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休業


「琉伽…?」

「寝てるね」

「うん」


あの事件はHeroTVでの史上最悪の事件に成りうる事件だった。
その犯人と対峙した琉伽は負傷、幸いにも命に別状はないが重傷。
犯人はnextで、能力は爆弾、いや、破裂。
琉伽を目の前にして琉伽の脚を抉るように負傷させ、次に横腹。
趣味が悪いとしかいいようのないテクニックで意識を飛ばさずに痛みを確実に与え、逃げることも大勢を整えることも許さず、いたぶる輩だった。

琉伽は負傷の為、為す術がなく、それこそ最悪の事態になるところに正しくヒーローコンビのお陰で助かったと言っても過言ではない。


「……」

「あ、」

「琉伽?」

「あれ、カリーナ…ホァンも」

「起こしちゃった?」

「ううん」


犯人逮捕と琉伽の保護と救護が同時。
命に別状がないといっても大量の出血は命取りで危険極まりなく、直ぐ様病院へと運び込まれ、手術と輸血で現在入院している。

顔色も心持ちあまり良いとはいえないが、面会できるということは喜ばしい。


「二人ともお見舞い来てくれたの?」

「うん」

「琉伽のね、好きな花持ってきたんだよ。琉伽この花好きでしょ?」

「ありがとう」


いつもは明るくて元気な琉伽が元気がない。
当たり前といえば当たり前なのだが、同性で仲が良く、一番年長者の琉伽は二人にとっては姉の様な存在。
何よりネイサンとは違う意味での頼りになる存在だった。


「早く元気になってね…?」

「うん、がんばるよ。ヒーロー業に早く復帰しなきゃね」

「…うん」

「そろそろ、帰るね。行こうか、キッド」

「もう?」

「琉伽まだ調子良くないでしょ」

「うー…バイバイ琉伽」

「うん、またね」


横たわったまま小さく手を振る琉伽と、その琉伽に手を振る二人。

琉伽の件に関しては一応は公表されている。
犯人逮捕時に英雄名は犯人と揉み合いになり、負傷して現在治療中。という事になっている。
確かにそうなのだが、どの様な状態かまでは公表されていない。
それがいいのかはヒーロー達には解らないが、琉伽も何も言わないのでいいのかもしれない。
琉伽に関して言えば、その事を聞いていない可能性もある。琉伽は今それどころではなく、治療に専念すべきだと企業が判断し、無駄なことを琉伽の耳に入れない方針という可能性もある。


「…琉伽、早く復帰できるといいね」

「…そうね。琉伽は英雄名だから、大丈夫だよ」