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 お兄ちゃん!

ただ箱学マネが「お兄ちゃん」と呼び間違える話


福富寿一の場合

「あ、お兄…」
「………」
「ごめん、今の無し」
「朱堂、兄がいるのか?」
「…いない、昨日従兄弟のお兄ちゃんと電話で話して…」
「そうか、オレには兄がいる」
「……うん」
「だから新鮮だ」
「………」
「誰しも間違いはある、気にするな」
「…うん、ごめんね」


荒北靖友の場合

「お兄…あ……や、ご、ごめ」
「なーにィ、お兄ちゃんだけどォ」
「今の無し…今の忘れて…」
「いいよ、朱堂ちゃんのお兄ちゃんしてあげよっか」
「…お兄ちゃん」
「朱堂ちゃん」
「おい、そこ何をしている。イチャつくな」


東堂尽八の場合

「そうだ、お兄ちゃ…あ」
「朱堂、兄がいるのか。意外だな」
「い、いない…ごめん、間違えた…」
「それなのに言い間違えたのか?」
「……うん、久しぶりに従兄弟のお兄ちゃんと電話して…」
「そうか、電話はいい。どんなに離れていても声が聴ける文明の利器だ。オレも昨日巻ちゃんと電話してな、調子はどうだと聞いたのだ。もうすぐIHだろう?最後のIHだ、ここで体調を崩されては決着が掴んではないか!総北に新しくクライマーが入ったと聞いているから今年は実に楽しみだ!」


新開隼人の場合

「というとで、お願いね。お兄…」
「ん?」
「間違えてお兄ちゃんって言おうとしちゃった」
「オレ弟いるんだけど、兄貴とか隼人くんって呼んでくるんだぜ」
「弟居るの?なんとなく新開くんが弟だと思ってた」
「そう?」
「なんか甘えるの上手そうで」




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