※現代
幼馴染でひとつ年下の文鴦は私の後ろによくくっ付いてくる。 それは昔なら可愛くて、よく手をつないだりしていた…のだが。 今は私よりもはるかに大きく成長しているものだから可愛いとはお世辞でもいえない。
「…ねえ、文鴦」 「なんだ?」 「どうしてここに居るの」 「なまえが出てくのが見えて」 「…ついて来た、と」 「ああ」
いつもこうだ。 私が高校は女子高にしようかな。と言えば絶対駄目だと泣いて抗議しきたし。 おかげで私は共学に行く事になった。 大学も県外にしようかな。なんていえば危ないから行くなら一年浪人してから!と大真面目に言ってきた時は正直こいつ頭おかしいんじゃないかと本気で思った。 まあ結局県外の大学は落ちたので第二希望の県内で自宅から通える大学に行った。
「いい加減幼馴染離れしたら?」 「…なまえは、迷惑…なのだろうか」 「迷惑というか、彼女できたらどうすんのさ。私にいらない嫉妬させたら可哀相だよ」 「それは無い」 「何が無い」 「だって私はなまえが一番好きだから」 「…あーはいはい」 「本気にしていないな」 「ソウデスネー」 「でもなまえに彼氏が出来たらたくさん嫉妬するから」 「ふーん」
私は誰よりもなまえが好きだし、なまえにも私が一番になってくれたら言いと思う。 いつ間にそんな恥ずかしい台詞を堂々と言えるようになったんだ。
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