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「よーっす」


料理を盆に乗せ、朔弥が現れた。
それ見てまたポカンとする政宗と慶次。
腹が減っていて、その料理がやけに旨そうで腹が立つ。


「二人とも、口開けすぎ。ヨダレヨダレ」

「なんだいその料理…」

「あー、これ?今宴会してて、くすねてきた」

「宴会?なんじゃ、遠呂智を倒した祝宴か?まったく呑気なもんじゃのう!」

「んー、どちらかと言えば世界が元に戻る方。今料理運び入れるからね」


盆を下ろし、鍵を開けようとする朔弥に牢の中からではあるが二人は朔弥に迫り聞いた。
その話は本当か。
戻るとはなんだ。
遠呂智と妲己はどうなる。
朔弥はそれに短く、簡単に話していった。
その間にも朔弥は料理を運び込み、元通りに牢に鍵をかけた。


「聞いてないの?」

「初耳じゃ」

「…左近殿忘れてたな」

「まあ、俺達はある意味蚊帳の外だかんなぁ」

「ま、とりあえずその祝宴というか惜別会?」


私ああゆうの苦手だから抜け出してきたんだよね。と朔弥は笑った。
だからといって牢に繋がれている者にその様な差し入れを与えるのはよろしくはない。
見付かれば処罰ものだ。


「いいのか、儂達にこの様な施しをして」

「良くはないとは思うけど、悪くはないと私は思ったからしました」

「言い訳はどうすんだい」

「言い訳…言い訳ねえ…どうしよっか」


見つかったら見つかったで大人しく私も牢に入ろうかなあ。なんておどける朔弥。

普段、と言ってもそこまで長い間一緒に居たわけではないが、朔弥がこういったおどけ方をするのは珍しい。
元々おどける性格ではない朔弥、おどけると言っても本気でしているのか分からないとうおどけ方しかしないのだ。


「…なあ、朔弥」

「あとは卑弥呼の所に行って、宴会にでないとヤバいなあ」


慶次がかけた言葉を遮るように朔弥は走って姿を消した。

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