無双 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


「な…っや、やめたんですか?」


あの格好。
左近の落ち込みようが半端ない。
横にいた趙雲は何事かと左近を見た。
左近の目の前にいるのは雑賀の持つ銃を手にしている小柄な男。
何処かでみた顔だとよく見てみれば、朔弥ではないか。


「こっちの方が動きやすいので」

「朔弥殿は男装がご趣味ですか?」

「いいえ。戦に出るときなどこの方が安全な場合があるので」

「そうですか…。孫市殿から伺っています、朔弥殿の腕前」

「孫市は過大評価なんです。ですがその評価に負けぬよう努力します」


趙雲と朔弥が話すなか、左近のみが取り残されている。
朔弥はたいして体に凹凸があり、女らしい魅力的な体ではない。
しかし、それなりに女の体をしているし、色気だってあった。
あの着物は足の付け根あたりまで時々見えたり、胸の影も、ヘソだって…。
実は左近の癒やしだったのだ。
それがどうだろう、今左近の目の前で趙雲と話す朔弥は鉄壁の防御に近いではないか。


「も、もう着ないんですか…?」

「…え?」

「あの、白い着物…」

「ああ、妲己からもらった着物ですか?」

「私はあの着物は目のやり場に困ってしまって…」


ふにゃりと笑う趙雲。
それを聞いた左近は「あんたはホントに男か!!」と突っ込みたい衝動にかられた。
悶々としていると何処かから女カが朔弥の後ろから現れ、朔弥の腰に手を回した。


「何かご用意でしょうか女カ殿」

「なんだ朔弥、お前そういう趣味か。よし、男役は朔弥にまかせてやろう」

「話がみえないので要件のみ教えていただけますか?」

「なんじゃ、吊れん奴だ。まあいい、後でまた私達の部屋においで。話がある」


ついでに左近という男も連れてこい。と目の前にいる左近をまるで無視して姿を消した。

/