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「ふむ、どうしたものか」


朔弥は悩んだ。
腕が動くようになり、雑賀にいる事も許された。
しかし雑賀にいるならば当然銃が必要になる。
その銃は古志城にあるのだ。
朔弥の記憶が確かならば妲己に「こんな野蛮な武器はさよならー」と奪われた。
できれば着物も前の物に戻したい。その方が動きやすいし、何よりヒラヒラしていないので何も考えずに行動できるからだ。


「何を唸っている朔弥」

「兼続殿…」

「せっかく腕が動くようになったのだろう?唸る必要ないだろう」

「動くようになって、唸る事ができたんです。雑賀に戻れるようになったのですが、その為に銃が手元に無いことに気づいたんですよ」


なに!それは由々しき事態だ!!と朔弥以上に焦ってしまった。
彼も武人なのでわかるのだろう、武器は使えば使っただけ自分に使い易くなるのだ。
新調したとしても、以前あった物のように扱えるようになるまで時間がかかる。


「して、その銃のありかはわかるのか?」

「ええ、恐らく古志城にあると思うのですが…」

「ありかが分かるのであれば話が早い。取りに行けばいい」

「…私、馬乗れないんですよ、ね」


困ったように笑ってみせた朔弥。
それならばと兼続が申し出た。


「ならば私が協力しよう」

「…え?」

「朔弥には慶次を助けてもらった恩もある」

「でも、兼続殿古志城内の事とかわかりませんよね」

「?何を言う。誰が私一人で行くと言った。私が朔弥を連れて行くというのだ」


え?としか朔弥は言いようがない。
そんな朔弥などお構いなしに兼続は馬の準備をするために行ってしまった。

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