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「幸村殿!!」

「…朔弥ど」


「の」と言う前に後ろからの衝撃によって音にはならずに終わってしまった。
ちょうど後ろから朔弥の声が聞こえたら振り返ろうとしたのだ、そうしたら何かが後ろから抱き付いた。


「な、な、な…いったいどうされました朔弥殿」

「動く、動くの!」

「兎に角落ち着きましょう?」


ね?と抱き付く朔弥を落ち着かせようと声をかけるが落ち着く様子を見なせない朔弥。
そういえば何故ここに朔弥がいるのだろうか。
彼女は今、養生中で部屋に籠もっているはず。
それに肩の怪我で腕を吊っていた。
それなのに自分の腹に回るのは彼女の腕だ。


「私、腕動くようになったの」

「え?」

「もう…動かないと思ってた…」


でも動くの!
ぱっと腕を幸村からを腕を放し、肩をぐるぐると回してみせる朔弥。
そこには今までみた事の朔弥の笑顔。
最近ではふさぎ込みがちで、無理して元気そうに振る舞うことが多かった朔弥。


「見て、幸村殿。足の怪「うわああああああ!!!」」


裾をめくる朔弥の手を抑える幸村。
その顔は真っ赤でもうどうしたらいいのか分からないと言ったような困った表情。
ただただ「それ以上はダメです!」と朔弥をせいした。


「あ、あと肩も「出しちゃ駄目ですからね」…そうですか?」

「ええ、駄目です」


息の荒い幸村を少し不思議そうに見る朔弥。
最後には「勘弁してください…」と幸村に言われてしまった。

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