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「おお、朔弥。待っておったぞ」

「おい、朔弥を離せ。朔弥が汚れてしまう」


迎えたのは伏犠と女カ。
女カは朔弥を気に入ったまではいいのだが、どうも朔弥に近付く…というより男が嫌いらしく嫌がる傾向にある。
左近は朔弥を椅子に座らせると大人しく離れた。
それを確認すると女カは朔弥に変なことはされなかったか?と愛しそうに聞く。その温度差はなんだと左近は心の中で呟いた。


「お話とはなんでしょうか」

「そう話を急がずとも」

「女カ、朔弥は話があるとよんたのだ。そう伸ばす事もあるまいよ」

「朔弥、身体はどうだ?」

「ご覧の通りですが」


なんとか立ち上がるまで回復はしたが、動けばやはり痛むし熱もある。
傷口は塞がり、あまりにも無理をしなければ再び開くことはない。


「ああ、肩の怪我が酷いな。あの三成という男、よくも抉ってくれたな」

「………」

「そういうな女カ。その男に仕える男がここにおるというに」


その様なことは関係ないというように伏犠を睨む女カ。
三成も朔弥の為を思ってやったに過ぎないが、その行為はいきすぎていた。
その詫びも込め、朔弥の護衛を左近は引き受けたのだ。


「朔弥、そなたの肩を治してやろうか」

「!」

「もう動かないと諦めていたのであろう?」

「それは本当ですか女カさん」

「本当じゃ、左近。本来ならば妲己に荷担していた者には罰を与えでもいいくらいじゃが、朔弥の場合は話が違うじゃろ?しかも朔弥の戦果は目を見張るものがある。このまま無残に斬り捨てるのは勿体無い」

「…あ、あの、どうして私の腕、動かないのが?」

「私達は仙人じゃ、そのくらい分かって当然」


朔弥にベタベタとする女カに苦笑する伏犠は「これは褒美じゃ」と豪快に笑って見せた。


「…条件は、なんですか?」

「条件など無粋な。そんなもの不要」

「で、でもそれでは私は…」

「朔弥、おぬしはそれだけの手柄を立てた。甘えておけ」

「ほ、本当に腕が動くようになりますか?そうしたら、また…」


好きなことができるぞ。と女カは朔弥を優しく抱き込んだ。
何度も何度も本当に?嘘じゃない?と聞く朔弥に女カはまるで母親が子供をあやすように背中をポンポンと叩いて落ち着かせた。
左近が朔弥に近付こうとすると女カの鋭い目つきにあい、左近は動けなくなってしまった。
まるで二人の時間を邪魔するなと言わんばかりの目つき。


「私、腕…」

「ああ、今私が治してやる。そうだ、ついでに全部治してやろう」

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