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「あら、朔弥。もう幸村とお友達になったのかい?」

「これはこれはおねね様。朔弥殿とはお知り合いでしたか」

「そりゃ知ってるさ、孫市のとこの子だもの。でもちょうどよかったよ、この子に友達を作ってあげようと思って探してたんだよ」


幸村に引きずられるがままの朔弥にニコニコと話かけるねね。
まずこの状態の反応もなければ、まったくもって有り難迷惑な話までも出ている。
この状態を打開しなくてはと朔弥が思考を巡らそうとすると、再び引きずられ始めた。
ねねまでもが「仲良しさんだね!」と笑っている。


「ところで幸村、なんで朔弥を引きずってるんだい?」

「引きずる…?も、申し訳ありません朔弥殿」


パッと朔弥の腕を放すと朔弥は勢いよくその場に尻餅をついた。
なんだ、この男は。人を引きずっておいていきなり手を放すし。
文句の一つも言ってやりたいが、ここで変に抵抗したところで良い方向にはいかないだろう。
朔弥は大人しく立ち上がり、泥を叩いた。


「…いえ、気にしないで、ください」

「しかし…まさか引きずっていたとは知らずに」

「お気になさらず」


慌てて謝る男に朔弥は呆れるというか、関わらないで欲しそうな表情。
朔弥は尻餅をついた痛みもあり、機嫌がよくなさそうにみてとれる。


「ほらほら、幸村。朔弥も許してくれてるんだから、その位にしておきなよ。朔弥の機嫌が悪くなっちゃうよ」

「い、おねね様、私は別に…」

「ほら、謝るのは終わりだよ。朔弥にあの子達の所に連れて行くんだろう?」


ほら、行くよ。と朔弥の手をとるねね。
その後ろに続く幸村。

なんだここの人間達は。
何故こんなにも赤の他人に世話、お節介だんだ。

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