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「そう、朔弥ちゃんが目的だった訳ね」

「次はお前だ」


朔弥が前に出過ぎだとは思った。
でも近くに慶次がいたし、彼女自信無理はしない子だ。
今までも危なくなれば術で安全圏まで戻っていた。
だから油断していた。

太公望と競り合っていた時だ。
急に朔弥の気配が妲己の中から消えたのだ。
朔弥に付けた呪布には妲己にとって戦場くらいの広さならば彼女の位置も状態もわかる。


「こちらの目的は達成したのでな、あとはこの地を征すれば万々歳というやつだ」

「覚えてらっしゃい、太公望さん」

「ふん、それはこちらのセリフだ」




朔弥が最近不安定だったのは見ていて分かった。
イライラして、ぼんやりしていた。


「おい、妲己。朔弥が捕縛されたというのは本当か!?」

「本当よ、政宗さん」

「近くに慶次もいたんだろ、なぜ朔弥が捕縛される!」

「あっちの目的が朔弥ちゃんの捕縛だったのよ…!」


ギリッと親指の爪を噛む妲己。
あの子は目的の為にちょうどイイ玩具だった。
三國や戦国の人間とは違う何かがあった。
どちらかと言えばこちらの者に近い感じさえする。
たがら朔弥の頭をいじり、自分の手元に置いた。
そうしたら意外にも自分と似たところがあり、可愛かったのだ。
そうしたらいつの間にか捉えたつもりが囚われていた。


「どうするんだ妲己、朔弥がいないとなると今後苦しいぞ」

「………」

「聞いているのか!?」

「煩いわね!!!」


わかってるわよ!と怒鳴る妲己に政宗はただ黙るしか出来なかった。

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