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「朔弥ちゃん、紹介がまだったわよね」


妲己が連れてきたふたりの男。
一人は金色の髪の大男、もう一人は右目に眼帯をかけた青年。
その後ろには妲己に付いてきたであろう卑弥呼が興味深そうに二人の男を見ている。


「金髪の人が前田慶次さん、それでこっちの人が伊達政宗さん。お二人とも、朔弥ちゃんよ」

「…朔弥?」

「朔弥と言うと、孫市の…?いや、しかし…」

「朔弥ちゃんはね、私達のだぁいじな仲間なのよ。私と卑弥呼の危険を察して来てくれたんだから。朔弥ちゃん、この二人は前にも私達の仲間だったのよ、遠呂智様の復活を前にまた来てくれたの」


男二人は朔弥の名前を聞くと少し顔をしかめた。
二人にしてみたら朔弥という名前に馴染みがある。
雑賀孫市の元に身を寄せる女だ。
よく男に間違われ、その度に弁解しないので男として扱われる。
その後に女の格好で現れると、大層驚かれる。
下手すると女装してると思われるのてはなかろうか。
無愛想なのも一因する。
しかし二人の前にいるのは露出のある着物をまとい、少々無愛想ではあるが、女の顔をしている。
卑弥呼が抱き付けば笑顔で受け入れ、それを見た妲己が「ズルイ」といえば両手を広げている。


「私の名前、妲己達助けに行ったときにも同じく様な反応がきた」

「まあ、同じ名前のやつがおるからのう」

「私に似てるの?」

「似ていると言えば似てるねぇ」

「似てないと言えば似てない?」


慶次と政宗が目線を合わせると朔弥は笑った。
私に似てるなんて可哀想な人がいたものだと。


「で、慶次に政宗?これからヨロシクぅ。私の事は好きに呼んでちょうだい」

「朔弥ちゃんに手ぇ出したら…覚悟しときっ!」

「出さんわ、こんな色気のない女」

「なぁっ!?朔弥ちゃんの色気は凄いんだから!!もうどんな男もイチコロなのよ!」

「ちょっと妲己!?」

「せやせや!この前なんか、あの馬鹿猿手玉に取ってんで!」

「卑弥呼!取ってない、取ってないからね!!」


いわれのない色気騒動に朔弥は焦り、何故か女子二人は奮起。
政宗は呆気にとられ、慶次は大笑い。
その頃悟空はくしゃみをしていた。

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