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「気分はいかが?朔弥ちゃん」

「悪くないかな」


そう、それは良かった。
妲己はニッコリと笑った。
自分が今まで何をしていたかは覚えていない。
知りたいと思わなければ、思い出そうとも思わない。
過去の事など興味なかった。
今やらねばならないのは妲己と共に遠呂智を蘇らせる。
ただ、それだけ。


「さーて、じゃ、朔弥ちゃん。着替えようか。そんな着物朔弥ちゃんに似合わないもの」


どんな着物が良いかしら。
妲己は朔弥を見ながら自分の顎に手を当てて少し考えたフリをして見せた。
そして何か思い付いたように頷き、指を鳴らした。
すると魔法の様に朔弥の着物が変わった。
朔弥はそれに対して騒がない。
それがさも普通の事だと言わんばかりに。


「うん、朔弥ちゃん可愛い!で、そんな野蛮な武器もサヨナラね。朔弥ちゃんにはコレね」


妲己が出したのは長い布。
それを朔弥にニコニコして手渡した。


「ほら、朔弥ちゃんにピッタリだ。扱い方は、もう、わかるでしょ?」

「当たり前。私を誰だと?」

「うっふふ。そうこなくっちゃ。そうだ、あともうちょっとあるの」


妲己が次に出したのは狐モチーフのお面。
ちょうど顔半分、鼻の辺りから上が隠れる作りだ。
可愛らしく左右の耳の辺りに花が付けられいる。
これは戦いに行くときに付けて。
妲己はそれ以上に言わない。
朔弥も追求はしなかった。
今は妲己から与えられる物を素直に受け取るのが重要なのだ。


「あと髪飾りの呪布は取っちゃ駄目よ?」

「取りはしないけど、なに?この布」

「朔弥ちゃんの生命線かしら。あと耳飾りも取っちゃ駄目だったわ、それも生命線」


朔弥の扱う武器は元々は仙人の扱う武器。
人が扱える品物でない。
それを扱える様にする能力変換を行うそうだ。


「さあ、行こうか遠呂智様を復活させに、ね」

「ええ、魔王再臨こそ私の理由、意義」


再び世に恐怖と絶望を与えようではないか。

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