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「ガーラシャ」

「………」

「離れて、苦しい」

「今朔弥を堪能中なのじゃ。たがら朔弥の願いは受け入れないのじゃ」


朔弥にピッタリと抱き付いて離れないガラシャ。
女の子の力で抱き締められるのはたかが知れているが、何分ガラシャの怪力をしっているので変に力を入れられては怖いと気が気でない。
どうにかしてくれと孫市をみるが、孫市は素知らぬ顔で無視を決め込んでいる。


「ガーラーシャー…」

「…わらわは朔弥の事、好きじゃ。朔弥はわらわの事、好きか?」

「え…」

「好きか?」

「あー、うん」


うむ。とゆっくり朔弥のから腕を放したガラシャ。
その顔はどこか満足した様子。
いったいなにに満足したのか分からないが、ガラシャの機嫌もよく、ニコニコしているからいいということにしておこう。


「よかったな、嬢ちゃん。朔弥が好きって言ってくれて」

「うむ!わらわ朔弥も好きじゃ、孫市はもっと好きじゃ!」

「あっははは!そこで孫市にいくかいお嬢さん。傾いてるねえ」


大笑の慶次に、茶を吹き出した孫市。
他はもうポカンとしている。
朔弥にいたってたは「うん、知ってる。ガラシャ孫市大好きだもんね」と話している。


「幼女趣味か…」

「幼女趣味…ですね」

「違う!」

「ガラシャ可愛いからいいじゃない。将来美人さんになるよ」

「未来より今!」

「さあガラシャ、孫市と庭にでてその想いの武をぶつけておいでよ」

「うむ!」

「な!」

「死なない程度にね」



孫市ー!と突進するガラシャを朔弥は手を振りながら送り出し、茶を飲み始めた。


「いいのか?朔弥」

「いつもの事ですから」

「いつも…ですか」

「ガラシャー、そこの岩も使っちゃえ」

「おお!良い考えじゃ!」

「孫市、死なないか?」

「死にませんよ、あれくらいじゃ」


哀れ孫市。
そう思ったのは少ない。

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