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雑賀集伏兵の襲撃により苦戦!
至急援護を!!


「ですってよぉ〜幸村様ぁ」


雑賀集と言えば、この前主である幸村が友人が出来たと笑っていたことが記憶に新しい。
しかもそれが女だったということにも驚いた。


「くのいち…」

「私、行きましょうか?私なら今動けますよ」


(悩んでる悩んでる)
樹の上でニヤニヤと笑う少女が「どうするんですかぁ?そのお友達が困ってますよぉ、苦しんでまーすよ?」と幸村に追い討ちをかけた。


「くのいち、命令だ。雑賀集の援護を頼む」

「了ー解。にゃはん」


そこから目的地まで少し距離はあるが、忍を生業としているくのいちにとっては雑作もない距離だ。
木々の枝を足掛かりに軽やかに、迅速に。
くのいちを追う気配も、それに関する伏兵の気配もない。
敵軍は雑賀をここで叩き尽くすつもりのようだ。
近付くと血生臭く、野太い声が聞こえる。
そこに微かに混じる硝煙の匂い。
雑賀は接近戦にめっぽう弱いのだ。
それなりの戦の手練れでも、銃と刀では扱いが違うのだから仕方ない。


「おおう、こりゃまた大混乱の劣勢」


雑賀の隊列は崩れ、敵が入り乱れ状態。
下手に撃てば味方に当たってしまう。


「これは私で正解かーもね。さ、て、と」


お仕事お仕事。
地面に着地するやいなや、敵兵の掃討を始めるくのいち。
忍であるから身が軽く、素早い。
急所も心得ている。
見る見る間に地に伏せる敵兵。

残るは指揮をとっている敵将のみ。


「ちぃぃっ!忍風情がっ!!」

「その忍風情に討ち取られるなんてねー」


悪いね。
それが最後。
クナイが敵将の首をはねた。

それを見た女が声を殺した気配がした。
見たら、その敵将の後ろで銃を構えていた。
体じゅう傷だらけで、出血が酷い。


「雑賀の人ー?」

「ええ、そう…です」

「ど?立て直せそう?」

「…どうでしょうか。まず孫市…お頭を捜さなくては。それからでないと」


戦の興奮で辛うじて自分の脚で立っているように見える。
息使いが荒い。
歯を食いしばってふん地場っている。


「居場所は?」

「伏兵…で、分断、され、て、しまったの、で」

「ふーん、了解。私がササッと捜すから意識飛ばさないようにねぇ」


不用心な子だな。くのいちは思った。
私が味方のふりした敵だったら一発なのにねぇ。


くのいちは無印イメージ

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