主人公の名前は朔弥で。
現代パロ。
「孫ー起きるのじゃー」
「ゲフッ」
腹部に鈍痛。
眠っていた頭を無理やり上げて見ると、嬢ちゃんがニコニコと俺を見つめている。
「孫ぉ、早く起きるのじゃ、朔弥が怒るのじゃ」
「…朔弥?なんで」
「なんじゃ、忘れたのか?昨日孫は、それはそれは泥酔でベロベロだったのじゃ」
「………」
「本当は今週の朝ご飯の当番は孫なのじゃ。でも孫は起きれないだろうと朔弥が判断したのじゃ」
なんだ、何かがおかしい。
なんで俺の上に嬢ちゃんがいる。
朝飯の当番てなんだ。
なんで朔弥が飯を作ってる。
そもそも嬢ちゃんの格好からしておかしい。
元の格好とはそう違わないが、脚の露出が明らか多い。
「二日酔いなのは自業自得じゃ!それよりも早く顔を洗って朔弥に朝の挨拶じゃ。そうしないと朔弥が怒るのじゃ。逆鱗じゃ」
「誰が怒るの?逆鱗なの?」
「じゃから、朔弥…な…の」
「ガラシャ遅いからきたんだけど?」
にっこりとなんとも黒く笑う朔弥がいる。
朔弥も変だ。
妙にぴったりとした袴を穿いているし、上も着物じゃない。
嬢ちゃんは朔弥を見ると「ま、孫なら起きておるぞ!わらわはちゃんと起こしたのじゃ!」と弁解をはかっている。
「ほら、孫市も早く支度してよ。今日朝一で会議があるって言ってたでしょ」
「…朔弥、か?」
「他に誰にみえるの。まだ寝ぼけてるワケ?」
「朔弥、孫は二日酔いなのじゃ」
「ガラシャ、二日酔いは頭が痛いとかいう症状なの。孫市は明らか寝ぼけてんの」
「なんだ、朔弥も嬢ちゃんも。へんな格好して」
二人で綺麗に「へん?なにが?」と声が重なった。
「ガラシャは高校の制服だし、私はシャツワンピにジーンズ穿いてるだけじゃない」
「そうじゃ、孫もわらわの制服を見て可愛いと言っておったではないか」
「…なにより、」
「なんじゃ?」
「朔弥の胸がデカい」
サッと顔色が悪くなるガラシャ。
わらわは知らぬっ。と朔弥の横をすり抜けて逃げた。
ワケもわからずポカンとしていると、無言で俺の横に朔弥がきていた。
「いい加減にいろ、この――――」
変態助平痴漢!!!
すぱーーーんと朔弥の平手打ちが俺の頬に見事紅葉を飾った。
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