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子供化ネタ。








ねねと秀吉は一瞬だけ息を止めた。
それは孫市の足元に小さな女の子がいたからだ。
いつもならば長身の女、朔弥がいたのだから仕方ない。
今はその朔弥ではなく、小さな幼女がいるのだ。


「…孫市?」

「あ?」

「お前、誘拐か?」

「はっ!?」

「も、もしや朔弥を孕ました結果かい?!」

「落ち着いて下さいお二人とも」

「落ち着いていられる…、ん?」

子供独特の高い声に落ち着いた物言い。
この物言いには心当たりがありすぎる。
朔弥が他人に落ち着けと言う、そのものだ。
幼女は朔弥そっくりな顔立ちと物言いで秀吉とねねを見上げている。


「……朔弥?」

「はい」

「おい孫市。いくらなんでも朔弥と同じ名前を幼女にくれることないじゃろ」

「くれてやった覚えはねえよ秀吉。コイツは朔弥本人だ」


ポスン。と幼女モトイ、朔弥の頭の上に手を置く孫市。
当の朔弥は孫市に頭の上に手を置くなと頭を振り、小さな手で抵抗を示した。

孫市と朔弥といえば、今は奥州の伊達のところに居たはず。
そう思った孫市の旧友である秀吉が二人にどうしたのかと問えば、孫市は「それがよ、」となんとも面倒臭そうに話始めた。

ある日、伊達家当主である政宗が南蛮より取り寄せた怪しげな薬。
それは「若返りの薬」となんとも胡散臭い。
珍しい物が好きな政宗の事だから、それに関しては誰も不思議に思わなかったし、いつもの事だと思っていた。
その点に関しては当主の自覚があり、むやみやたらに使う人間ではないのは皆よく知っていたからだ。
それをどうしたのか、政宗は朔弥を呼び出すと、朔弥に時たま与えていた菓子にその薬を混ぜたのだ。


「そうかい、それはそれはよくやったね、政宗っ!

「ねね…。まあ、ねねは今ちょいと無視してな。で、なんで孫市と朔弥がこっちに居るんじゃ?」

「おねねさま、鼻息が荒くて怖いです」

「いいか、ああいう大人に注意だぞ朔弥。それがよ秀吉、政宗の奴「秀吉公の奥方が大層子供好きの朔弥好きと聞いておる、朔弥、お前点数稼ぎしてこい」ってな」

「そうか、要するに売られてきたんか…」


秀吉は朔弥に憐れみの視線を送った。


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