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死ネタ注意!











「…泣いてんの?孫市」

「だって、お前が…」

「大人なんだから、泣かないでよ」

「…大人だって、泣くんだ馬鹿」

「…男、なのに?」

「…男でも、だ」

「…………………私、死ぬのかな」


朔弥の腹からは怖いくらい綺麗な紅。
その紅は腹から脚、そして地面を濡らして朔弥の生きる力をそれこそ奪っている。
寸前のところで倒れた朔弥を抱き起こす孫市には朔弥の体温が微かにしか感じ取れず、それこそ恐ろしくなった。
今まで自分は沢山の数え切れない命を奪っている。
それを後悔してないかといわれれば、後悔しているが、それが生きるためだ。
そうでなければ自分が殺されている。


「…ねえ、孫市。私、死ぬんだね」

「…ああ」

「不思議、なんだ。私、死ぬのとか、怖くないって、思ってた…でも、」


弱々しくなる朔弥の声に、息。
その言葉の最後は朔弥らしく「ちょっと、怖いな」と微かに笑った。


「ごめんな、ごめんな朔弥」

「…私、死んだら、孫市、泣く?悲し、い?」

「当たり前だ…!」


朔弥から体温が逃げていくのが、怖くて怖くて抱き締めてみても、その速度は変わらず、それでも孫市は朔弥を抱き締めて、小さな声で「駄目だ、死ぬな」と呟いた。
それを聞いてかわからないが、朔弥がほんの少しだけ、ピクリと動いた気がした。


「私、孫市、好きだよ…すごく、好き」

「…………」

「その、孫市、悲しむの、嫌だな…」

「………朔弥っ」

「ごめんね、私、最後…まで、」


ちゃんと出来なくて。
そう朔弥が言った気がした。

利口なおまえのことだから


(冷たくなった身体が、もうお前が居ないことを証明してるみたいだ…)

御題提供:濁声




ただ男泣かせたかっただけ←


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