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「…むうう…」
「唸ってもダメ。熱、あるんだから」
「じゃが…」
じゃがじゃない。と朔弥にぴしゃりと言われて黙るガラシャ。
横になっているガラシャの額に濡れた手拭いを乗せると「大人しく寝てなさい」とガラシャの横に腰を下ろした。
「…孫市は?」
「仕事にでたよ」
「…朔弥は、行かなくてよいのか?」
「今日の仕事は孫市だけでもいいそうだから」
「………すまぬ」
熱を出したガラシャは自分も孫市について仕事に行くと騒いだが、見事に孫市と朔弥によって却下された。
最初はガラシャのみを残し、二人で仕事に向かおうとしていたが、ガラシャの抵抗で朔弥がガラシャの面倒を見ることになった。
「すまないと思うなら、大人しく寝ててよ」
「…わらわは、足手まとい…か?」
「そんなことない、ガラシャはダチ、でしょう?」
「………でも、わらわを置いて行こうとしたではないか」
その言葉を聞いた朔弥は溜め息を一つついて、ガラシャの額にある手拭いをガラシャに押し付けた。
何事かと困惑した顔をするガラシャに呆れた顔で朔弥は言った。
「心配だから置いていこうとしたの」
「?」
「ガラシャが心配だから休ませようとしたのに、ガラシャ自分も行くって聞かないから。ねえ、ガラシャ。熱が原因で仕事で怪我したら大変だし、それ以上にガラシャが命を落としたら…」
「…す、すまぬ。でも、わらわは、二人の力になりたかったのじゃ」
「子供じゃないのも、私も孫市も知ってる。でもね、」
私達は仲間なんだから、互いに心配して頼って、心配されて頼られるんだよ。

風邪っぴき


(…のう、朔弥。子守歌を歌ってくれぬか?)
(えっ!!?)


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