呪術 | ナノ
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※ジルコニア
※Not夏油離反教師



「あれ?3年これから実習?」
「そうだよ」
「金次と綺羅羅居ないから名前だけなんて寂しいね」
「ははは、名前は優秀だし私の指示をちゃんと聞いてくれるし良い子だからそういうのはないかな」

夏油が名前を、五条が虎杖と伏黒と釘崎を連れて歩いて駐車場まで歩いていると出くわした。
学生は学生どうして手を振り、これからどこ?とコソコソ話しているが教師同士は堂々と喋っている。

「同じ呪霊操術者同士仲が良いしね」
「え、名前先輩夏油先生と仲良いの?」
「普通じゃない?それなら真希さんとか私の方が仲良いわ」
「そこ別に張り合うとこじゃねえだろ…」
「仲なら僕と名前兄妹だし!超良いし!」
「あ、爪欠けてる。後で切ろ」
「………」

私達3人の方が仲良いし!と先日女子会と称して3人でお泊り会をした時の写真を出す釘崎。お揃いのパジャマを着て、ヘアターバンを付け、ポーズをとっている。
とりあえず夏油が言っていることはそういうことではないが、仲良しの後輩が出来て良かったねと名前を見て笑っている。

「なにそれ!そんな楽しいことしてたの!?」
「ふふん!名前さんも真希さんも私独り占めよ」
「僕聞いてない!」
「なんで先生に報告すんのよ」
「悠仁、恵!僕らもするよ」
「え…」
「なんで?」
「夏油先生、新田さん待ってると思うんですけど」
「名前は本当悟に関して無関心だね…」
「無関心じゃないです、反応するのが面倒なだけです」
「…お兄ちゃん泣くよ?」
「勝手に泣いたらしいじゃないですか、泣く自由くらいありますよ」
「ドライ!」
「伊達に両親に売られてませんから」

確かに。と伏黒だけが頷く。
お互い五条悟という人間に買われた側の人間なので、言えば二人共通のネタである。
年数でいえば伏黒の方が長く、それだけあの面倒な性格をわかっているが故に名前のドライな言葉も否定はしない。あれは構えば構うだけ面倒になるだけという事を知っているからだ。

「あ、名前さん明日暇ですか」
「なに?恵、もしかして名前をデートに誘うの?」
「訓練しませんか」
「今の所予定ないからいいよ」
「じゃあ私監督でみてあげるよ」
「いいなー。俺も夏油先生と訓練したい」
「え、僕は?」
「五条先生とはいつもしてるし、違う先生ともしてみたい」
「えー名前さん明日訓練なんですか?真希さんと遊びに行こうって計画してて名前さん誘う予定だったのにー」
「…待って?なんでそんな名前は皆と仲良いの?」

あれ?と頭を傾げる五条。
確かに名前は3年という事もあってここでは一番先輩である。女子が少ないから真希や釘崎と仲が良いのもわかる。
伏黒とは買われた事と式神使いという共通点があって高専に来る前から面識もあるし、津美紀とも仲が良い。
夏油とは同じ術式である意味師弟関係のようなものである。取り込み方には違いがあれど、取り込みの苦しさにはお互い理解がある。
虎杖は、……五条が知らないところで昔友人であったらしい、その名残だろう。

「だって悟の義妹なんてかわいそうな子は優しくしないと」
「は!?なにそれ!?表出ろよ傑」
「夏油先生、私一人で新田さんのとこ行けばいいですか?」
「名前は僕を無視しないの!一応僕君のお兄さんだし買った本人だからね!」
「わー超クズ。」
「先生とは思えない発言だ」
「引率だから私も行くよ。悟、伊地知が待ってるから早くしなさい」
「名前さん、じゃあ明日訓練お願いします」
「おっけー。今日取り込むの止めとくね」



「なあ傑」
「なんだい?」
「僕、名前に嫌われてる?」
「好かれてない自覚はあるんだ」

ははははと笑う夏油。
実習から戻り、高専の自販機コーナーの一角で休憩をしている二人は実習前のやり取りを思い出す。
名前は3年で今現在在学している唯一夏油のクラスの学生である。それ故夏油は名前に目を掛けているし、同じ術式同士、そして親友の義妹という事もあって気にかけている。勿論秤がいても同じく気を掛けるが。

「僕はさー、一応可愛がってるんだけどさー」
「名前の場合は悟と向いてる方向が違うんだよ。名前は名前なりに悟の事好きだと私は思うよ」
「あん?」
「名前は悟に買われた恩があるから、そのために必死なんだよ」
「はあ?」
「前に言ってたんだ、悟にお金返さないとって」
「金?」
「名前を買った金さ。名前は両親から買っただろう?今度は名前が自分自身を買うんだって」

五条からしたら名前を買った金、言えば名前の妹の手術代なんてはした金も良いところだ。恵の10億の方が高額だし、まあ10億といっても五条家当主にしてみたら然程痛い金ではない。
その金で自分を買うとは?と五条は頭を傾げる。

「わからない?悟に負い目があるから名前はちょっと素直になれないんだよ」
「負い目でもなんでもなくない?僕は才能ある子を買っただけだし」
「うーん。なんて言ったらいいのかな、悟は御三家のひとつの当主だからわからないのかな」

名前は私と同じで一般的だから。と笑うと、五条は酷く不満そうにしていた。

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