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呪詛師からの宣戦布告。
それは呪術師界とのある意味決戦の様なものだろう。
上の立場の呪術師達は会合をして徹底的に叩き潰すと息巻き、所属などは関係なく呪術師を名乗る存在に片っ端から召集を掛けていた。

「なーんか、凄い事になってますね」
「そうだねー。面倒くさそうな事になりそうね」

新田が名前の元を離れてはいたが依然として新田は名前に懐いていたし、名前は名前で後輩として新田を可愛がっていた。
補助監督は補助監督で集められ、今後の事について説明があるのだろう。
説明といっても誰がどの呪術師について補助を行うか、というものだと思うが。

「私五条くんとか傑になりそうで…特級なんだから別に補助要らなくない?」
「私はちょっとそういうのわからないんすけど、そんなもんなんすか?」
「個々の仕事であれば補助はあっても、こんな大きいのだと要らないかなって」
「あ、名前さんが思うにってやつ?」
「そうそう」

名前が腕時計を見てそろそろ会議室行こうか。と新田に声をかけて会議室に向かう。
会議室には高専所属の補助監督が一同にそろい始めている。黒のスーツの男女、男が多くなんとも男臭い。女性の補助監督が名前を見つけると手招きをして「こっちへ来て」と言わんばかりにしている。

「お疲れ様です」
「良かった、名前さん達来てくれて」
「なんか居づらいっすね、ここ」
「男性が多い職場だからね。しかも黒いスーツだから威圧感があって」
「私達何するんでしょうね、帳降ろしして、救護と呪術師のサポートですかね」

ざわつく室内。
以前にもこんなことがあったかは名前は知らないが緊張の空気を感じる。
名前が内心「面倒な事になる前に辞めておけばよかったな」と思っていると補助監督の上層部の人間が入ってきた。
話が始まるらしい。

「諸君、集まってもらった用件は知っての通りだが…その前に。夏油名前くん」
「…はい」
「君は呪術師の方へ。夜蛾学長から要請が出ている」
「はい。では失礼します」

小さな声で隣の新田が「名前さん」という声が聞こえたので名前は小さなジェスチャーで「ごめんね」として会議室をでた。

予感はあった。
夜蛾学長とも「補助監督になるのは反対しないが、何か大事があれば術師の方に復帰の可能性もある。七海の様に完全に辞めたわけでなければ移動は十分ある」と言われていた。
その大事はこれだといえば、そうなる。と納得する他ない。
所詮名前は高専に所属しているのだ。
会議室を出て歩いていると目の前に傑の呪霊が手招きしている姿が見える。どうやら道案内をしてくれるらしい。その呪霊は見た目が可愛らしいとは言えないが名前とも付き合いが長い。
案内された先の部屋のドア。ノックをすべきかと思って少し眺めているとドアが空いて傑が顔を覗かせている。

「おかえり」
「戻るつもりはなかったんだけどね」
「入って。まだ始まってないよ」

促されるままに名前は部屋に入ると見知った呪術師が勢ぞろい、とまではいかないがまあまあ揃っている。
高専に属している者からフリーで活動している者。
名前の先輩に当たる冥冥も居て名前の姿を見てニヤリと笑っていた。

「学生は?」
「一応は学生だから別室だよ。悟が付いてる」
「え、大丈夫なの」
「最強だからね。特級は特級らしくどうせ本陣叩くのに行かされるんだ、こんな会議無意味だってね。私も同感」
「という事は、それ以下は露払いかな」

軽く言うが相手は呪詛師で人を呪う事を生業にしている。呪術師も言えたものではないが人の命よりも金に重点を置いているので見境がなければ命の重みというものもない。
いえばためらいもなく人を殺せる存在。露払いというには重すぎる内容だろう。
一般人のデモなんて可愛い物だ。誰かを殺したり殺されたりしないのだから。

「傑も先生なのにいいの?」
「私の学年は優秀だからね。教室で大人しく待機を命じてある」
「ふーん?そういう事にしておいてあげる」
「あれ?名前さんじゃないですか」
「君は確か七海のサポートに付く…えっと」
「猪野くん」
「そうそう、猪野くん。君2級だろう?ここは1級以上の呪術師の待機場だよ」
「………あ、そうなんですか?いやー、間違えたみたいです。名前さんもですか?」
「私は間違えてないよ」
「あ、そうなんすか……」
「場所はわかるかい?案内しようか」
「あ!全然平気っす。失礼しましたー…」

二人で話していた後ろのドアが開いて、声をかけてきたのは猪野琢真。
傑を見て固まり、名前を見て笑ったが結局傑をの言葉に大人しく引き下がった。
1級の待機場という事で七海を目当てに来たのだろう。1級以上という名目をすっかり忘れたのか特級に睨まれ退散という結果になってしまった。
何度か名前は七海と話していて猪野が1級の推薦を欲しがっているというのは耳にしていた。それもあってアピールするつもりなのだろうが、七海の性格を考えるにそのような行動はマイナスだろうと名前は思う。

「猪野くん、七海くんの事好きだよね」
「そういう趣味なの?彼」
「尊敬の方。私もたまに話すけど、七海くんの高専時代の話とか聞かれるし」
「それは初耳です」
「あ、七海くん」
「補助監督の仕事はいいのですか」
「大丈夫だよ七海。姉さんはこの現場で復帰だから」
「さっさと辞めないからですよ」
「ねー。私も思った」
「その格好で任務にあたるのですか」
「服が今これだけだからね」
「私の服じゃ大きいし。学生から借りるわけにもいかないからね。美々子か菜々子に持って来てもらう?」
「いい。これで行くから。どうせ支給品だから問題ない」
「慣れないと動きにくいので気をつけてください」
「はーい」

するとタイミングよく夜蛾学長が入ってきて資料を配られる。
ぱらぱらと流し見を始めたところに任務内容の説明が始まった。

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