呪術 | ナノ
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呪術高専学長、夜蛾正道が作った呪骸の一つ。
虎のララ。
パンダが最高傑作ならば、虎のララはそこまではいかないが傑作。
精神が幼い、というの不具合がなければ。
自立はしっかりとできているが、まあパンダに比べて自分で考えるのは上手くない。
無邪気だ、といえば可愛らしいが思慮深くない。
その中身の一つは五条悟、夏油傑、家入硝子の同期で今は故人の苗字名前の魂のコピーが担っている。
彼女は学生時代に上級の呪霊によって頭部を奪われ死亡している。
その際に密かに夜蛾は名前の魂をコビーしており、呪骸に植え付けた。
虎は呪骸としては成立していたが自我を持つのはかなり時間がかかっており、失敗かと思われたがやっと自我を持ち、自立を覚えた。
しかしパンダと違い精神の成長は幼子のままであった。


「ただいまララ」
「あ!おかえり!悟、恵、悠仁!!その子?その子女の子の新しい子?ララと同級生??」
「と、虎!?」
「ララ!!ララはララだよ!誰?誰?ララに教えて!」
「ララ。あの子は野薔薇だよ。野薔薇、呪骸のララ。学長が作った呪骸で君の同級生」
「呪骸が!?」
「野薔薇!ララと同じ女の子!ララはね、虎なの!ガオーだよ」
「ララ、俺も虎だよ。虎杖に“トラ”がいんの」
「悠仁も虎なの?男の子の虎?ララはね、夜蛾ララだから蛾が入ってるの!地味な蝶々!!」

ぶふっ!と吹き出す男子2人に男性1人。
蛾を地味な蝶と言うあたりこの呪骸は子供なのだ。
別に蛾が全て地味なわけではないが、まあ外れてもいない。
しかし釘崎は笑ってはいない。この状況が飲み込めないからだ。

「ララ女の子来てくれて嬉しい!」
「そ、そうでしょ!この釘崎野薔薇さまが来たからには、えーっと、せいぜい頑張りなさい!」
「ララ頑張る!」
「す、素直ね…まあいいわ。ララ、だったわね」
「ララだよ!まさみちがね、虎のラでララだって言ってたからララなの!トララ!」
「そ、そう。私の事は野薔薇と呼んでいいわ。私もララって呼ぶし」
「悟、恵、悠仁、野薔薇!ララ!!」
「………下の名前呼びなのね、あんた」
「ララだよ。悟と恵は前から知ってるお友達。でも悟は先生なんだって、ぽくないよね。恵は一緒に遊んだよ。悠仁はまだ遊んでない。野薔薇とはこれから遊ぶの」

さらりと悪口を言うララ。
これには五条もピクリとしてから「ララー?」と声を低くする。
するとララはピャっと驚いた様子で伏黒の影に隠れる。大きな身体では隠れ切れていないが、伏黒は味方だと思っているのだろう。その影からチラリチラリと伺ってる様子はまるで妹の様だ。

「まあ五条先生は先生っぽくないというのはララと一緒です」
「恵もそう思う?ララも」
「ま、五条家の当主だし?私たちとは感覚違うでしょ」
「野薔薇も?」
「俺はわかんねーけど。でも、スゲー強いんでしょ?先生」
「もち!あ、ララ、君後で学長のところ行きな」
「あ、今日メンテナンスの日だ」
「メンテナンス?」
「ララ呪骸だからメンテナンスするの。終わったら寮に戻るの、戻ったら野薔薇のお部屋行ってもいい?ララのお部屋はね、女子寮にあるの。ララ女の子だから」
「いいけど、ララ、貴女部屋はいれるの?大きいのに」
「ララね、一番このサイズが楽ちんだけど大きくも小さくもなれるの。小さくなると抱っこもできるよ、ララ伊地知の癒しなの」
「あれ?伏黒と一緒じゃないん?」
「ララは女の子だから女子寮だよ。まあララ自体大きくて力も強いし心配はないけど。一応は学長の娘だから」

ララのお部屋は広いんだよ!悟と傑がゴロゴロしても余裕なの!と笑うララ。
とりあえず新しく入ってきた2人は「誰だよスグル」と思ったし、伏黒は溜息をついた。

「あ、学長確か用事入ったって連絡来てたから早く行きな」
「えーそうなの?じゃあ今行く。またね!」

メンテナンスが終わり、寮に戻って爪を使って上手に釘崎の部屋のドアをノックするララ。沢山練習したら上手にできるの。と自慢げに言う。
3人と1頭となり、ララを知らない2人のために五条と伏黒が簡単に説明をしているのでもう驚きの方が少ない。

「ね、ララって小さくなるとどれくらいなの?」
「野薔薇欲しがりさんね。まさみちが言うには、赤ちゃんの虎と同じくらいみたい。ララ赤ちゃんの虎見たことないから分からないけど。伊地知のお膝に乗ると伊地知喜ぶの」
「誰よ伊地知」
「補助監督!メガネかけてる男の人。悟にいつも困ってる!」
「でも小さいの疲れるんだ。大きくなるのも。今がベストサイズ」
「ベストがデカすぎよ」
「デカいって可愛いんでしょ?ララ知ってる。美々子と菜々子が言ってたもん」
「だから誰だよ」
「美々子と菜々子は傑のとこにいる女の子」
「スグルって?」
「悟の親友。なんか胡散臭い」


「って言ってたんだけど」
「ああ、夏油傑特級呪術師だな。背が高くて長い黒髪、塩顔、袈裟着てる」
「うっわ」
「ララ知ってる人いっぱいいるんだな」
「ララ高専長いからね、知ってる人沢山いるよ」

ふふん。と笑うララ。
翌朝教室に行くと3組の席に、低い大きな台。その台がララの席だという。
確かに虎が椅子に座るのも違和感があるし、体のつくり的に難しいのだろう。

「ララ、傑は苦手」
「ララにも苦手な人いるん?」
「なんかね、傑は…好きくないの。なんか苦手。でも嫌いじゃないよ」
「…蛇に似てるんじゃない?」
「蛇さん?傑人間だよ」
「ほら、なんだっけ、動物の本能的な部分が拒絶してるとか」
「ララ呪骸だから動物とは違うよ?」
「ま、誰でも苦手な人はいるっしょ」
「そうだな。でもララはオロチとも遊ぶぞ」

式神さんはたくさん遊んでくれるから好き。というララ。
じゃあもうその「スグル」さんは本能的に駄目なんじゃん。と察した。

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