呪術 | ナノ
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「「なんでだよ!!」」
「普段の行いの差では」

時期外れの人事異動。人事異動といってもそれほど大きなものではなく、数人のスタッフの移動があった。
祓ったれ本舗の2人が俳優への転向をする、ということで俳優部のスタッフの移動が行われたのだ。
2人が希望していた夏油名前は伏黒恵の担当を外れ、七海建人の担当に。
勿論今まで担当していた伏黒恵は嫌だといったが、決まった事は覆すことができずにそうなってしまった。今若い女性に人気がある俳優として七海担当のスタッフ2人が伏黒へ、伏黒についていた名前が七海に、とチェンジがあったのだ。

「七海さん、よろしくお願いします」
「やだ!お願いしないで!!なんで名前さん僕の担当じゃないの!?」
「七海さんのスタッフ1人、恵くんのスタッフ1人、虎杖さん野薔薇さんのスタッフ1人いるじゃないですか」
「私は?私の担当じゃないの姉さん」
「姉さんじゃありません。夏油さんも担当スタッフの方沢山いるじゃありませんか」
「伊地知め…」
「社長命令だそうですよ。名前さんの移動」
「「!?」」
「では改めまして、名前さんよろしくお願いします。チーム一同歓迎しますよ」
「七海さんのスタッフになれて光栄です!頑張ります」
「やだ!僕のスタッフして!」
「私の事嫌いなの?」

ちらりと2人を見た七海と名前。また2人は向かい合ってから七海が「ご存じとは思いますが私担当のスタッフを紹介しますので」と名前を案内する動きをする。
名前も名前で頷き、祓本2人に小さく手を振って「じゃあね」とその場を離れて行った。
言えば扱いに慣れている。
事務所内でも五条が名前に対して猫を被り、口説いている認識はされている。何よりラジオでの話題の人が名前だというのも事務所内では知らないものはいない。公認ではないが黙認されている状態だ。
ただ、ここ最近それに夏油が参戦しているのもほぼ全員が知っているが、関わると面倒になるので誰も突っ込みはしない。夏油はある意味五条より質が悪いのを知っているからだろう。藪蛇にはなりたくない。

「…七海、狡くね?」
「私の姉さんなのに」
「お前の姉さんではないだろ今」
「じゃあ君の嫁でもないね、今」
「どうしてそういうこと言うの…」
「当たり前だろ。私の姉さん嫁にして子供3人、3人だよ?わかる?3人!!そんなに産ませるなんて」
「もっと欲しかった」
「あ?」
「名前さん似の女の子、男の子欲しかった!!全部俺似てるなんて!!俺の気持ちわかるか?名前さん似の女の子か男の子が最低でも1人欲しかったの!そしたらぜーんぶ俺に似てるの、わかる?名前さんはさ、『父親がはっきりしていいね』って言ったけどさ、違うんだよ…僕は名前さんの遺伝子を感じたかったんだよ…全部僕寄りなんだよ……唯一一番下が名前さんの性格に似てたくらいだよ……」
「うわ」
「お前の甥だぞ?うわってなんだよ、うわって」
「自分が甥が君そっくりとか、うわ。しか出ないだろ」
「それな、わかる。まあ似てたのは外見と性格か、六眼は僕がいたから出なかったし?」
「でもいい術式出たんだろ?今まで五条家続いてるんだし」
「まあねえ。名前さんいい術式持ちの子を産んだって喜ばれてたからね、家。3人全員。まあそのおかげなのか、せいなのか。名前さん早死にしちゃった」
「…1人で、よくない?」
「好きな人の子供何人でも欲しいじゃん…金あるし、人手あるし、問題ない」
「うわあ…」

前に好奇心で夏油が五条に「写真ないの?」と記憶がない時に聞いたことがあった。
あるよ。と帰って来て、自分のスマホをだしてそこから写真を出すから夏油は驚いた。
言えば祖先の写真を持っていたのだ。五条からしたら自分の子供の写真だが、現在から見れば祖先の写真を持ち歩く人間はまずいない。
ほら。と出されたスマホの中の写真には確かに五条悟が小さくなったのが3人いるように見えるほど、子供は五条にそっくりだった。

「名前さん、七海に取られちゃう……」
「姉さん七海とそういう感じだった?一般企業行ったんだろ、七海」
「あ、そっか。お前知らないんだっけ。七海出戻りしたんだよ、呪術師」
「…へえ」
「んで、まあ最初の頃は名前さんがちょっと面倒見たりしてた。名前さん弟が離反者だから上層部からの扱いかなり悪くてさー」
「………」
「でも名前さん本人を知っている僕らは名前さん人当たり良かったから嫌う理由はあんまりない。勿論相性ってのがあるから、全員から好かれることはないけど。任務は真面目だったしね。酷い任務もあったけど」

過ぎたことだし、今更な。とでも言う五条。
確かに夏油だってそれくらいの予測は付く。ついでに特級の血縁の呪術師の女性ともなれば「あわよくば」と寄ってくる呪術師の家系の男の存在も。そのあたりは名前の後ろには五条がいたので馬鹿以外は寄ってこなかったといえる。
胎扱いされなかったのは五条のおかげ、と言っても過言ではないだろう。まあその五条に嫁ぐことになったのは計算かどうかまでは五条以外わからないところだが。

「あー、俳優の方来ても名前さんと離れるとか。うわー」
「うるさいですよ五条さん」
「おや、伏黒くん。お気に入りの姉さんが担当代わってご機嫌斜めかな?」
「姉さん…?名前さん年下ですよ?俺より」
「コイツ前世の話してんの。あーあー嫌になるね」
「ああ、そういう。担当代わっても一緒に遊んだりはするので、別に」
「あ?」
「俺だけじゃないですけど?虎杖も釘崎も、真希さんも結構名前さんと遊んでますよ?」
「…どういう、事?」
「前世記憶ある人間とは結構遊んでますよって話です。さすがに七海さんと遊んだとは聞きませんけど、年が近い俺らとは結構出掛けてますよ。この前釘崎と真希さんはコスメ買って新しくできたカフェに行ったとか言ってましたし」
「え!?何それ知らないんだけど!一緒にデパコス見に行こって誘ったの俺なのにー!!」
「…どこに行ったか分かる?」

うわ、めんどくせえ。と言わんばかりに食いついて来た2人を軽蔑した目で伏黒は見た。

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