呪術 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

「アレ放送されてSNS俺への同情でトレンド染まったんだぞ」
「嘘を言うんじゃないよ、上位にあったけど他にも私の応援だったり同じ事務所の子の応援とかあっただろ?特に今回伏黒が頑張って君のすぐ下にトレンド付けていたじゃないか」
「つーことで本日のゲストは伏黒恵でーす」
「どうも伏黒恵です」

わーぱちぱち。というSEが入るが、全く盛り上がっている様子はない祓本がしているラジオ。
五条は面倒くさそう、夏油は盛り上げる気がない、伏黒はいつもの低いテンション。
伏黒のマネージャーは心配そうにしているが、まあ同じ事務所の先輩後輩なので気心が知れている(仮)関係だ。

「お父さんと一緒の収録はどうだった?」
「最悪でした、もうその話振らないでください」
「仲悪いの?」
「悪くはないです。五条さんに散々いじられて嫌なんです」
「つーか、お前親父と本当顔だけだよな似てるの。あのゴリラからどうしたらこんなモヤシ生まれんだよ」

五条や夏油からはそういう認識だろうが、一般的に言えば伏黒はそこまでモヤシではないし、実際のモヤシの体型を見たら「死んでるの?」という反応をされそうである。
実際彼の写真集では「良い身体」という評判をもらっているわけだ。
あの肉体派の2人に挟まれれば七海でさえ普通体型に見えてしまうのだ。

「ドラマするんでしょ?」
「はい」
「番宣だよな」
「そうですね」
「じゃあ番宣して帰っていいよ」
「悟…君ね」
「傑だって恵好きじゃないじゃん」
「嫌いではないよ、父親が苦手なだけで息子の彼も苦手ではないし」
「夏油さんの手紙、親父めちゃめちゃ笑ってましたよ」
「本当?まあお前笑かすためにしたんじゃないけどな」
「アレひでえよ傑、俺マジ腹立って最速叩きだしてその勢いで殴りに行こうとしたもんな」

メールやSNSのハッシュタグでは忍者ネタが多く飛び交っている。
投稿にも「あの夏油さんの手紙感情入りすぎて笑いました」やら「五条は元嫁と勘違いしたんか?」など。
「元嫁じゃねえ!前世の嫁!それだと離婚したみたいだろ!やめろ!」とお怒りだ。
「前世の嫁とか長い。元嫁で十分」という投稿には「お前には関係ねえだろ」とたいそう嫌な顔をしていた。

「あ、もう終わりの時間近いじゃないか。ほら伏黒くん、番宣して番宣」
「新ドラマ始まります、主人公は俺です。見てください。あ、恋愛ドラマです、一応きゅんきゅん?するという話です。よろしくお願いします」
「やるきあんの、お前」
「悟、これが彼の本気だよ。基本口下手だろ。むねきゅんドラマ主演だっていうのがわかるじゃないか」
「お前観る?」
「観ない」
「俺も」
「そこは嘘でも観るって言ってくださいよ」
「嘘言ったらいっきにSNS沸くじゃん。祓本が恋愛ドラマ観るってよって」
「五条さんは恋愛ドラマでも観て勉強したらいいんじゃないですか」
「悟顔とスタイルだけだからねー」
「愛ならあるわ」
「あっちにあるかは謎だね」
「子供3人いたもん!」
「愛はなくても子供は産めますからね、することすれば」
「それでは皆さんまた来週〜〜。いやー、伏黒くん最後に爆弾落としたね」

あはははは。という夏油の笑い声を残しつつエンディングの音楽がボリュームをあげ、録音してあった音声で「この番組は」といつもの提供の名前が流れていく。

「お疲れ様でした」
「恵…お前、んなこと思ってたのかよ」
「事実ですし」
「悟、もう君名前ちゃんの事諦めなよ、君自身と名前ちゃんのためでもある」

ラジオが終わって帰る時に雑談をしながら駐車場に向かう。
祓本は2人で1台だが伏黒は同じ事務所ではあるが担当している人間が違うので1台だ。
勿論車の大きさに差があるのは当然だが、機嫌の悪い五条に絡まれるのは彼としても面白くないだろう。

「諦めないし!名前さんにさ、クッキー焼いてってお願いしたらさ」
「断られたんだろ?聞かなくてもわかるよ」
「名前さんクッキーとか焼くんですか?」
「頑張るねって言ってくれた!」
「くれるとは言ってないね」
「言ってませんね。お疲れ様でした、またよろしくお願いします」
「お疲れ」

マネージャーの乗った車に乗り込んだ伏黒。マネージャー共々頭を下げてその車は出発する。時間的にこのまま直帰だろう。
祓本もこれから仕事はないので伊地知に送らせて直帰だ。
伊地知の運転する車の後部座席に乗り込み、夏油はすぐ眠る体勢に入り、五条はポケットからスマホを取り出して名前に「お仕事終わったよ」と連絡を入れる。
名前は確か今仕事はなく、時間的にもベッドだろう。基本的には名前は祓本のラジオは聞いていないし、お願いしても聞いてくれることはなかった。

『お疲れ様です。聞いていました』
「え!」
「悟うるさい」
「わりい」

………。
タタタタと画面を叩く。

恵がいたから?
『はい。担当の方なので』
そっか。面白かった?
『恵くんも五条さんも通常運転でしたね。夏油さんも』
これから寝るの?
『そのつもりです、明日?今日も仕事なので。五条さん直帰ですか?」
うん、今伊地知が運転してる車の中
『遅くまでお疲れ様でした。おやすみなさい』
寝ちゃうの?
『はい』
可愛いキャラクターが欠伸をしている画像が付いている。学生の時から相変わらずこのキャラクターが好きらしい。
祓本の画像をプレゼントしたが、最初のやり取りの時だけ使ってくれたがその後使ってくれた様子はない。まあファンならまだしも、本人に使うには抵抗がある、という名前の言い分はそうである。

「んふ!」
「どうしました?五条さん」
「名前さんが『おやすみなさい』って。ラジオ聞いてくれたってさ」
「そうですか、それは良かったですね」
「どうせ伏黒くんが出てたからだろ?」
「きっかけはそうだけど、聞いたのは事実だし」
「君も粘るねえ…そろそろ砕けなよ」
「そこは応援しろよ、相方」
「私は可愛い子が泣くのは見たくないからね」
「泣かせないし。泣かせるのはベッドだから」
「相手が知らない人間ならまだしも知っている人間でのそういう話やめてくれる?同じ苗字だから妹分とおもってるんだから」
「キッショ!想像すんなし」
「してないよ。名前ちゃんに悪いし、悟の夜事情なんて想像したくないし」

私少し休憩したんだから静かにして。と少し強めに夏油が言えば、五条はニヤニヤしてスマホを眺め始めた。

/