呪術 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

※転生
※最強コンビは祓ったれ本舗で活躍
※細かい事は気にしない

『俺さ、前世の記憶ってあんの』
『出た。悟のスピリチュアルネタ。私と前世でも親友だったって、話しでしょ』
『そうそう。で、当時結婚した人が居るんだけどさ』
『それは初耳』

深夜の祓ったれ本舗のラジオ。
ラジオならではの内容に、メールコーナー、ハッシュタグを使ったコーナーにリスナーのお悩みコーナー。
とても人気があり、翌朝のトレンドには必ず上がっている。
若い女性ファンが多く、ライブがあれば即完売。ネタもさることながらビジュアルも良く、女性ファッション誌の特集を組まれたものは増版がかかる。

『当時はぜーんぜんその人さ、俺の愛を受け入れないの』
『なんで?結婚したんでしょ?』
『俺当主でさ、結婚がめんどうだからって理由で選ばれたと思ってたぽくてー』
『その人とどういう関係?』
『ま、色々とあってお世話して、お世話になった人?か?で、当時の親にその人と結婚したら?って言われて、じゃあそれで。って』
『うわ、クズ』
『うるせ。ちゃんと子供作ったし愛してたわ。たださ、子供産むたびに弱っちゃって、最後の子供産んで死んじゃったの』
『何人産ませたんだよ』
『3人。俺の遺伝子強くて皆俺に似てんの、ちょっとはあっちの遺伝勝ってほしかったよ』
『あー。なんかわかる。悟の遺伝子強そう』
『最後の子なんてさ、もう親っていうと僕の記憶しかないわけよ。毎日聞かせたよね、死んだ方の話』
『死んだ方www君ね、言い方があるでしょ』
『で、今世で意地でも出会って、結婚したら愛は証明されね?』
『前世の悟の配偶者ー逃げてー』
『ぜってー見つけてやるからな!!』
『でも、相手男性だったらどうすんの?記憶は?』
『男か…それは考えてなかった。記憶なくても結婚する』
『記憶あったら即逃げてーライブなんて間違っても来ちゃ駄目だぞ』
『男だったら…まあ今の法律だと結婚できねーから、囲うか』
『うっわ』

五条一途
五条前世
五条嫁
前世嫁
とトレンドワードが祓本に関するものが占領する。
勿論リスナーやファンは「前世が五条の嫁ってどんな徳を積んだんだ」「これ、私が嫁ですって言ったら嫁になれるのか?」「嫁になりたい」「五条の前世の親友の冷たさよ」「クズの一途」「前世嫁今世男だった面白い」「前世嫁が男だと薄い本が厚くなる」と様々。
ちなみに五条悟のこのスピリチュアルネタはファンの中では常識だ。特に親友ネタは結成ネタとしても使われている。トーク番組で「当時悟がいきなり抱き着いて来た」と夏油がよく言っていたのだ。
これはファンだけではなく、言えばバラエティを見て祓い本を知っている人間であれば大体が知っているといってもいいだろう。それくらいには耳にするのだ。特にファンに至っては知らなければファンではないくらいのレベルだ。

「どう?五条は嫁見つかりそう?」
「ぜーんぜんですね。どこにいるんだろ」
「今赤ちゃんかもよ?それかもうご高齢かもしれないね」

テレビ番組で笑いながらMCが五条に話をふれば、「赤ちゃんなら結婚できる年まで待つし!」と強気だ。
隣の相棒はまた始まったと言わんばかりに苦笑している。
ファンとはいえ、このスピリチュアル話を信じているものなどリアコくらいで、ほぼネタだと思わてれいる。勿論相方も。
出会いは五条の前世の親友だから、というネタ。結果今の祓い本があるのだから、まあいいのだろう。実際こうしてお笑いとして成功しているし、それ以外の仕事も有難いことにもらえているし、忙しいが不自由はない。


「悟、まだそのネタ引っ張るの?」
「あ?」
「前世の嫁ネタだよ」
「本気だが?」
「……そう」
「見つけたら絶対傑に紹介するからな、待ってろよ」
「大事大事に囲わなくていいの?」
「傑には会わせないとだろ」

収録が終わり、マネージャーの車を待っていると夏油が五条に言う。
リアコと呼ばれるファンは特に厄介で、ラジオでの前世の嫁からのメールが大量だ。これはスタッフがあまりに酷い内容のものは弾いているが、それでも量が多いのなんの。
暫くはそのネタを控えたい、と言うのが夏油の心情だ。最初こそ面白いと笑っていたが、厄介なファンが増えるのは良い事ではない。
ましてビジュアルがいい五条は業界人から狙われるのだ。

「ぜってー見つける」
「………逃げてる可能性はないの?」
「逃げても捕まえたらいいじゃん」
「うわ…今までの女は?」
「だって俺だって溜まるし?早く出てこない名前さんが悪い」
「それ相手の名前?」
「そ。また同じ名前かなあ、同じだといいなあ」
「ラジオで呼びかけるなよ?」
「当たり前。」

本当か?と夏油は思わず口にした。


/