呪術 | ナノ
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「呪いのしては程度が低いから、まあ……2、3日、長くても一週間くらいで自然に戻るだろ」
「よかった…ではその間の名前さんの任務行ついては私が調整します」
「頼んだ。で、名前さん」
「はい」
「今何歳?」
「15歳です、呪術高専1年です」
「伊地知」
「はい」
「名前さんの身体を調べた結果、身体も15歳程度になっている。ここのカルテにあるものと照合するとね」
「…やっかいですね」

高専に着いて虎杖に引っ張られてきた保健室兼医務室。入れば女医の様な名前には見覚えのない人が一人。椅子に座らせられるとその人は「虎杖は出て行け、色々検査するから」と言われて虎杖は手を振って出て行った。
それから服を脱いで身体を検査され、名前や年齢や家族や地元の事を様々聞かれた。
そしてどこか電話すると補助監督の伊地知はやってきたわけだ。

「ああ、そうだ。名前さん、名前さんの荷物です」
「ありがとうございます」
「名前さん、悪いけどスマホ回収させて」
「すまほ?」
「ああ、電話だよ電話。こういう…それ。」
「あの、私が持っていると何かあるんですか?」
「仕事の関係だよ。4級に1級の仕事は回せないだろ?特に悟からの電話とか15歳にはきつすぎる」
「さとる?」
「五条悟。御三家のひとつさ、知らない?」
「先生から聞いた事があります。来年になると、御三家の人が入学するって。弟も来年入学するので、御三家の人と同級生なんだって思って」
「あー今名前さん1年なんだっけ。寮にとりあえず申請して宿泊させてもらうか。伊地知、釘崎に連絡して迎えにこさせろ」
「はい、わかりました」

迎えが来るまでちょっと待ってて。と言われて頷く名前。
クギサキという名前に心当たりはないが、恐らく同性なのだろうと思った。寮に行くのは変わった事ではない。しかしこの女医が言うのが正しいのならば名前の思う寮とここの寮は違うのだ。
高専のつくりは同じ、疑うわけではないが名前から見ればここは未来というヤツなのだろう。不思議と人が優しく感じられるのはそういう事なのだ、と名前は思った。

「あの、えっと…家入、先生?」
「ははは、名前さんに先生って言われると変な感じ」
「先生と、私はどういう関係なんですか?お友達ですか?」
「あー…んー、先輩後輩だな」
「家入先輩ですか?」
「いや、名前さんが先輩だよ」
「じゃあ先生は傑の事知っていますか?傑もいますか?」
「あー…傑は、いないよ」
「家入せんせー、なんですか」
「ああ釘崎、虎杖と会ったか?」
「いいえ?あれ?名前さん…?なんか雰囲気変わりました?」
「そうか。端的に言うが、アレは名前さんで今15歳の精神と身体になっている。呪いとしてはかなり弱いから自然回復でいいんだが2・3日から一週間はそのままでな、その間寮に泊まらせることにした」
「待って情報が多い」
「って事で名前さんは釘崎について寮に行ってください。私は後で服とか持って行くから。伊地知は残って私と打ち合わせ」

ホイ出てった。と追い出されてしまった。
状況が二人で違う意味で飲みこめないが、釘崎の方が先に名前を頭の先から足の先までゆっくりと何往復も見てから、サッと手を出した。

「私釘崎野薔薇。家入先生の言葉を信じるなら自己紹介しないとだし。あ、高専の1年」
「夏油、名前です。私も1年生」
「虎杖と任務だって聞いてたけど虎杖には会ったのよね」
「うん。伊地知さんの車で一緒に戻ってきたから」
「あとは伏黒か…あ、あともう一人いるのよ」
「1年生?」
「そう」
「へえ、どんな人?」
「名前は伏黒恵っての」

寮向かいましょ。と歩きだす釘崎の後ろを名前は付いて行く。
たぶんではあるが、並んでもいいはず。でも一応は迎えに来てくれて、名前の知る寮ではないところに行くのだからそれがいいと名前は思って付いて行く。
行く途中では「昔と変わってる事ある?」と聞かれたので「多分変わってないと思う」と答える。「昔」という言葉を聞くと、やはり自分の時間がおかしいのだと名前は少しだけ切なくなる。

「あれ?名前さんじゃん」
「真希さん。コンビニから戻ってきたんですか?」
「おう。あれ?なんか…名前さん雰囲気違うな」
「聞いてくださいよ真希さん」

少し気おくれした名前が黙って聞いていると釘崎が全て説明してくれた。
すると真希と呼ばれた女の子はあからさまに「あちゃー」と困って頭を抱えた風にしている。そしてニヤリと笑う。

「これ悟知ってるのか」
「さあ?見る分には良いけど巻き込まれたくはないですね私」
「あ、あの」
「あ、そうだ。禪院真希さん、2年生。真希さんて呼ぶべし、もしくは真希先輩」
「真希でいい」
「えっと、あの、その、さとるって、誰ですか?家入先生も伊地知さんも、御三家の人ってくらいしか…どうしてその御三家の人が私に関係があるのかなって…」
「え、マジ?マジもん?」
「みたいですよ。家入先生が言うには」
「ちなみに私も御三家の人間だぜ?」
「おお…」
「ま、禪院もピンキリだからな。数だけは多い。で、悟ってのは………」

上を見て何かを考える真希。
名前にとって悟はなんだ?
家族ではないし先輩後輩、ではあるな、うん。恋人では絶対にないし、むしろ名前さんは面倒を掛けられるだけで損しかない。
からかっても面白いが名前さんが嫌な思いをするのは可哀想だ。
だって名前さんは自分たちにとっても良い人だ、わざわざ困っている上に困惑させる理由がない。

「五条悟ってのはこの呪術高専の1年の担任だ」
「先生なんですか」
「間違ってないけど…」
「まあ高専で長くても一週間過ごしていれば会えるんじゃね?会わない事に越したことはないがな」
「特級の術師でもある」
「へえ…特級の術師が先生なんだ…凄いね、じゃあ釘崎さんの担任の先生、特級なんだ」
「…………文面だけ取れば確かに凄いな、アレ。っていうか、名前さん」
「はい」
「野薔薇でいい」
「の、ばら…ちゃん?」
「そ。ま、あの先生特級だけど人格としてはかなり壊滅的だから期待しない方がいいわ」
「言えてら。寮はどの部屋使うよ」
「家入先生が申請してからって言ってたから共同スペースで時間潰しましょ」
「どうせ女子はうちらしか居ないんだ、どこでもいいだろ」

部屋だけは馬鹿みたいに余ってんだからよ。という真希の言葉に名前は思わず笑った。
そこだけは名前も共感する、入学した時から人数の割に部屋だけが多くて寂しい気持ちになったからだ。

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