呪術 | ナノ
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「これ美味いぞ」
「あ、本当だ」
「名前飲まないの?」
「実は明日さ、出張入って。始発で新幹線」

学生も一緒に行くことになったからファミレスね。というメッセージに気が付いたのが最後の任務が終わった時。
補助監督にお願いして、その店に降ろしてもらい、団体個室に行けば学生らはもりもりと食べ、大人組はまあくつろいでいた。
秘書の菅田は別のテーブルで食事をしていると五条は言い、夏油を真ん中に左右に美々子と菜々子がニコニコしている。そのニコニコしている双子とは反対に困った顔をしている夏油を名前は笑ってから席に着き、食べたいものを注文して食事を開始した。

「マジ?」
「マジマジ。あ、一応七海くんと猪野くん誘ったけどやっぱり来てないね」
「まあ居酒屋ならまだしもファミレスになったからな。個室があるファミレス、田舎かよ」
「地元あったよ、個室あるファミレス。座敷なの」
「ここじゃん」

あはは。と冗談を交えながら食事をする。
学生のテーブルに着いている夏油を見て、「なんで夏油くんあっちなの?」と聞けば五条はニヤニヤして教えてくれた。
「高専の時の傑だから、面倒見が良いわけよ。放課後に悠仁の体術に始まり、真希の呪具の手合わせとかね」あとは…と出てくる出てくる。
確かに高専の時、あの時以前の夏油であれば相手をしてくれるだろう。勉強に体術、それだけをみれば実にいい先輩である。
それから菅田から聞いた双子が来て、ずっとああ。らしい。
あの双子にとって夏油は何よりも代えがたい存在で、父親を通り越して神と言っていいだろう。

「ハーレムじゃん」
「それ言ったら怒るよ」
「怒られたもんな、五条」
「怒られたんだ」
「怒られた」

いちゃいちゃ。というのだろうか。
双子が両サイドを陣取っては「夏油様、コレ食べますか?」「飲み物もありますよ」と至れり尽くせり。
当の本人は戸惑っているが。
また普段の夏油を知っている学生らからしてもその姿は面白いらしい。大っぴらにはしていないがちらちらと横眼に見ては笑っているのが雰囲気でわかる。
そんな夏油をニコニコしてみていれば、気が付いた夏油が「ちょっと」と席を立って大人のテーブルに来た。

「私もこっちに着ていいかな」
「酒があるから駄目」
「あっちに可愛い後輩と女の子いるのに?」
「いやー、僕もこっちに傑来てほしいけど、美々菜々がさー」
「その心は」
「「「あっちで困ってる姿が面白い」」」
「君らね……」
「五条くん、それなに?」
「期間限定パフェ」
「美味しそう。私もそれ食べたい」
「注文しな」
「あ、ついでにつまみも」
「どれがいい?」
「私の事無視しないでくれるかな」
「まあ座りなよ夏油くん。ここで飲むの硝子だけだし」
「名前は?飲めないの?」
「名前明日出張入ったんだってさ」
「え、そうなの?」
「そーなのー。始発だよ始発。新幹線。移動は寝てやる」

店員を呼ぶボタンを押してから店員がやってきて五条が注文をする。
ついでに学生も「からあげも1つ追加」「フライドポテト大皿も1つ」と好きに声を上げて店員は確認して礼をして部屋を出て行く。
それを見送るとまた少し騒がしくなる室内。
学生は学生らしくワイワイと楽しそうな話声、双子は「夏油様ー」「夏油様ー」とあまり控えめとは言えないが呼んでいる。

「呼ばれてるよ色男」
「なんか…居心地が悪いんだよ」
「若い女の子に囲まれて居心地が悪いなんてねえ、硝子さん。どういうことかしら」
「普段から囲まれ侍らせてるのにな」
「え、そうなの…?」
「なに良い子ぶってんだよ傑。お前高専の時から女とっかえひっかえだったじゃん」
「今更良い子ぶってもね、ふふ」
「なあ?お前がクズなのは全員知ってるっての」
「…〜〜……そ、そう、なの?」
「なんでバレてないと思ったんだよ」
「在学中硝子と歌姫さんと遊びに行ったとき何回か見かけたよ。毎回別の子」
「お盛ん〜。ま、同じだと飽きるしな」
「「クズ」」

あっはははは。と笑う大人組。
自分のしていたことが同級生女子には大バレだったことに衝撃をうけた様子。
むしろ何故バレていないと思ったのか、と他3人は笑う。それに学生のころから知っていることなので今更どうのという事はなく、教祖をしているあたりで「あーうん、わかるわー」というのが3人の共通の意識でもある。

「夏油様、そっちでお酒飲めないんだからこっちで食べましょうよ」
「私ドリンクバーでお茶持ってきます」
「え、ああ…うん……」
「さあ僕達私達、あと20分くらいしたらラストオーダーにするよ。条例があるからね」
「名前さん、夏油様はどっちに帰るの?」
「夏油くん、どっちに帰るの?」
「どっち…とは?」
「夏油様、今大変なんでしょ?高専に行くのか、こっちに帰るのか」
「傑の好きにしたらいいんじゃない?高専に傑の部屋ないし。僕か硝子か名前の部屋ってのもね」
「名前明日早朝から居ないしな。そもそも、取り込んだ呪霊の影響なんだ。勝手に戻るさ」

それから名前が高専に戻る頃には元に戻った夏油から「若い私、可愛かった?」とメッセージが届き、名前は「そうだね、クズ行為を私たちにバレてないと思ってるあたり可愛かったよ」と送ると電話がかかってきたが、面倒なので名前は放置した。

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