呪術 | ナノ
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「「どっちが良い身体だと思う名前!!」」
「「夏油様!」」
「これ苗字さんに似合いそう」
「可愛いね」
「終わったら見に行くか?」

任務を速攻で終わらせて高専に戻ってきた夏油と双子。
訓練の見学をしていた名前が学生と手合わせをしている時に見えた五条の腹筋に思わず「すごーい」という言葉を漏らしたことに始まる。
名前を構うつもりで五条が「ほらほら、良い体でしょ?よーく見な」と名前に腹筋を見せ、ついでに「俺体脂肪率一桁!」と虎杖も腹筋を出していたところに夏油が「私の方が良い身体だけど!?」と脱ぎ始めた。
ついでに虎杖は早々にそこから抜けて伏黒と話し始めている。

「名前さん、夏油様だよね!」
「絶対に夏油様!名前さんもそう思うでしょ?!」
「え……う、ん…」
「僕だって良い体でしょ!?傑に比べて引き締まってるし!」
「私は育ててるんだよ!名前だって凹凸がある方が良いよね!?」
「苗字さん私と真希さんの服貸すから出掛けましょ。ついでにご飯食べましょ」
「お、いいなそれ。野薔薇、この前来てたあのワンピース貸してやれよ」
「苗字さん似合いそうかも。さすが真希さん!じゃあ真希さんのジャケットと組み合わせましょうよ、甘辛コーデ」
「はあ!?なに名前に猿の服を着せようとしてるんだ!」
「2人ともとても良い体です……あの、服着てほしい……」

風邪ひいちゃうよ…という力ない名前の声。
釘崎は「そーよそーよ、乙女に何見せてんだよ」とうんざりした声を出せば双子が噛み付く。
夏油贔屓、というよりも夏油派閥である双子は夏油が全てにおいて一番でなければ納得できないし、夏油がすべての2人。
夏油の親友がこの五条悟だというのも気に食わない。なにぶん五条悟の性格が一番の要因なのだが、またそれに輪をかけて五条が揶揄うのだからもう2人は五条が嫌いなのだ。

「名前照れてるの?可愛いね」
「セクハラ…」
「あ、まって。それ引っ張らないで。また学長が来るから…」
「なんだそれ」
「夜蛾先生が不審者対策にってくれた防犯ブザー」
「ああ、この前夜鳴ったやつか」
「名前さんと出掛けるの、うちらだから!」
「みんなで行かない?」
「猿と同行は駄目だよ名前」
「ちょっと傑〜僕の可愛い生徒なんですけど〜」
「猿の金で生活してるくせに」
「おっと、なにか雑音が」
「おい悟!お前の親友どうにかしろよ」
「傑名前に懐てるからなあ。関わらないほうが精神衛生的にいいと思うよ?ほら、真希の実家のあの馬鹿に関わっていいことないのと一緒」
「馬鹿?」
「ああ、直哉な」
「僕何も言ってなーい」
「あー…」

五条、夏油、名前が何とも言えない顔をする。どうやら思い描く人間は同じで、しかも名前から見た未来の彼は相変わらずの様だ。
また、その親類である真希を気の毒に思った。同じ呪術師である名前にも「女のくせに」やら「男をたてられん女に価値なんざないわ」と面と向かって言われたことが何度もある。その反対に五条にはすり寄っていたので、名前には「…さては五条くんが好きなのかも。恋敵として認識された…?不愉快!」と思ってできるだけ距離を取っていた。

「ていうか、名前さんの服持って来てあるし」
「え…」
「この前出掛けた時にね。猿はおいて私たちで出掛けよう」
「真希も、野薔薇も、虎杖くんも伏黒くんも一緒が良いな」
「え、巻き込まれた…」
「お、俺も…?」
「僕は?ねえ、僕は?」

五条の言葉に一瞬だけ全員が全員五条を見るが、すぐに双子が「こっちの方がアンタの服より絶対良し!」「私たちが名前さんと一緒に買ったんだから」と言えば釘崎は釘崎で「あー?私のセンスに文句あんのか?やるか?ああん?」と売り言葉に買い言葉。
面倒だと感じた伏黒は「終わったら虎杖とレンタルした映画観る予定なんで、それじゃ」と虎杖と逃げた。

「てかさ、傑。お前名前に貢ぎ過ぎじゃね?名前帰るんだよ」
「うん?いいじゃないか、名前だって戻った時私によくわからないけど良くしてもらったって言ってたし」
「まあ…そうだったけどさ…ほらほら、そこのガールたち。そんな無意味なケンカはやめな、名前が戻ったら…は!」
「あ?苗字さんが戻ったらなんだよ」
「ねえ、名前」
「うん?」
「実は名前、ここで教師してるんだよ。僕1年の担任で名前は副担」
「さーとーるー、嘘を教えるの良くないよ?」
「そーよ。そんな可哀想なこと学長がするわけないじゃない」
「そうだそうだ。まだ副担するなら2年か3年、ギリ4年だろ。悟の相手して学生の相手なんて激務中の激務だろ」
「ちぇ。僕名前が先生してくれたら良いとずーっと思ってるんだけど。まあ、今の名前も10年位前に僕に言われてて教師してないってことは、そういう事なんだろうね。さ、ガールたち、若い名前は傑たちに貸してあげようね」

「しゃーねーなあ。」という釘崎とは反対に真希は「ま、戻る前に気が向いたら私らと遊ぼうな」と笑って部屋を出て行った。
五条は五条で「僕はたまった報告書でもだそうかな、伊地知そろそろ泣くかもしんないし。名前、傑に飽きたら僕とデートしようね」と双子を揶揄って笑いながら出て行く。

「なんなんだよアイツ!」
「名前さん、早く着替えて高専出ましょう」
「このままじゃダメなの?」
「「ダメ!」」
「2人は言えば仕事着だから嫌なんだって」
「可愛い恰好で遊びましょうよ!」
「夏油様だってそうでしょ?」
「…夏油くんは着替えないの?」
「私はいいんだよ、これ、いえば猿の前での服装だし」
「………さ、さる」
「夏油様の素敵な私服を猿が見るなんてありえないってこと!ヘアアイロン持ってきたからお洒落して行こうよ!」
「夏油様、どこで準備してらいいですか」
「ああ、じゃあ学長に行って医務室使わせてもらおうか。硝子いないって話だし、備品に触らなければいいだろ」
「えー、医務室ぅ?消毒液の匂い充満してません?」
「一時だけだから我慢しなさい。嫌ならそのまま出掛けようね」
「えー…しかたないなあ」

そもそも医務室をそんな風に使っちゃじゃ駄目じゃない?という名前の言葉に誰も反応を示さないあたり、わざとなのだろう。

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