呪術 | ナノ
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「冥さん…?」
「やあ名前、10年ぶりだね。10年前の君って意味だけど」
「冥さん!」

そのリップ素敵!冥さんにすごく似合ってる!と名前は見るからに喜んだ。
朝起きて朝食を4人で取り、10代女子3人でお話していると夏油の秘書の菅田から呼び出され、夏油の執務室だというところに行けば知り合いが1人。名前を見て「やあ名前」という声で名前は気が付いた。

「元気そうだね、貞操は無事?」
「…へ?」
「ふふふ、冗談だよ。五条くんに頼まれて迎えに来たよ」
「私が送るって言ったんだけどね」
「貰った料金分は仕事をさせておくれよ、そうじゃないと次の仕事が来ないだろ?」
「…ま、いいさ。冥さんには私も世話になっているし、邪見にはできないからね」
「夏油くんも、フリーなの?」
「え?ああ、言っていなかったっけ?私ここの教祖しながらの呪術師してるんだ、高専には所属してない。フリーというか、ここの教団が事務所みたいなものかな」
「私もたまに夏油くんから仕事をもらうしね。五条くんともども上客だよ」
「夏油くんもフリーなんだ、凄いね」
「名前も私のところおいでよ、悪いようにはしないし高専より待遇は良くするよ」
「んー、でも、10年後の私高専にいるんでしょ?」
「ああ、名前は高専に属しているよ」
「ってことは、夏油くんを選んでない理由があるんだし」
「ふふふ、名前は聡いね。さて、時間もあるから行こうか」

じゃあ夏油くん、名前は私が引き継いだよ。と名前を連れて部屋を出る。
言われるまま名前は冥冥に付いていき、エントランス、というのだろうか。大きく立派な出入り口に行くと双子が待っていた。

「行っちゃうの名前さん」
「冥さん」
「うん?」
「菜々子ちゃんと美々子ちゃんも一緒は」
「それは頼まれていないからね」
「そう…ですか…。私が戻るまでまだ少し日数あるみたいだから、また遊ぼうね」
「約束だからね!」
「夏油様にお願いして、今度は一緒の部屋で寝るんだから、ね」
「またね」


「ふふふ、あの双子とも関係は良好みたいだね」
「色々良くしてもらったので」
「そう」

さて、高専に向かうよ。と車に乗り込み高専に向かう。
高専までは車で時間がかかる。おしゃべりをしたり、休憩にコンビニに寄ってジュースやお菓子を買ってみたり。色々と楽しみつつ高専に戻った。

「ほら、名前を連れてきたよ」
「あ、おっかえりー!冥さんありがとね、料金は振り込んどくから」
「歌姫先輩は?」
「まずは挨拶でしょ名前。おはよ」
「……おはよう、ございます。」
「ふふ、まさか五条くんが名前にそんなことを言うなんてね。それじゃあ私はこれで」
「冥さん帰るんですか?」
「うん?これから別件があるんだ。10年前の私によろしくね名前」

じゃあね。と軽く手を振って去る冥冥。名前も同じく手を振れば妖艶に笑って冥冥はその場を後にした。
それから五条が「歌姫はまだ時間かかるから少し待ってね。僕これから任務、さくっと終わらすからね〜生徒たちは本日任務なしの座学だけだから名前も好きに過ごしな」と言いたいことだけ言って五条は名前の頭をポンポン叩いて行ってしまった。
名前の目的は庵歌姫なので五条は特に用事はないが、それでもなんだか面白くない心情ではある。しかし口でも腕でも勝てる自信はないので名前は考えてから家入のいる医務室に向かう。

「失礼し」
「待った、しばらく外に居ろ。自販機コーナーで時間潰せ、私が行くまで待ってろ」
「え」
「いいから」
「あ、う、うん…わかった」

コンコンとノックをして、返事があったから扉を開けつつ挨拶をしたら急にストップがかかり、名前は困惑したが今の自分の状況を考えると不味い人間がいるのだろうと思って家入の指示に従って名前は自販機コーナーに向かう。
上の人間が医務室にいることはないだろうし、家入に用があるなら呼びつける人間たちである。五条や夏油をよく思わない派閥の人間でもいたのかもしれないと飲み物が欲しいわけでもないが自販機コーナーをうろうろする。
しかし自販機を見ていても面白いわけではない。近くのベンチに座って迎えを待つ。

「あれ?新入生?いや、今の時期だと転入生?かな?」
「お、おは…こんにちは?」
「僕乙骨憂太です、2年生」
「苗字名前です」
「ああ、名前さん。昨日まで僕鳥取に任務に行ってて、話は聞いてます。今2年で自主訓練してるんだけど、行きます?」
「座学じゃ…?」
「日下部先生が急な任務らしくて。座学の先生今1年生の授業してるので」
「……ここで待ってなさいと指示されたので、ここで待機します。ありがとうございます」
「あ、いや…こちらこそ、ごめんなさい…そうですよね、予定といういか、指示がありますよね」

あ、あははは…と五条や夏油まではなさそうであるが、身長の高い乙骨は大きな体に見合わず小さくする。自販機で4本ジュースを買って一礼して行ってしまった。
誰も2年がもう1人いるとは教えてくれなかったし、1人で任務に出るということは2級以上なのだな、と名前は考える。2年で2級か…凄いな。と思うが、乙骨は特級である。
同級生2人が特級、今あったのも特級。ついでに1年の虎杖悠仁もある意味特級である。
硝子まだかなー。と待っていれば賑やかな声が近づいてくるのに気づき、そちらを見ていると2年がやってきた。

「おっす」
「こんぶ」
「名前さん戻ってたんだな、もやしから聞いて来た」
「もやし?」
「あ、僕です…」
「……へ、へえ……うん、少し前に。医務室に行ったらここで待ってろって言われて」
「ここで恋バナしちゃう?」
「自習じゃないの?」
「どうせ監督がいるわけじぇえからな。恋バナはしねえけど」
「すじこ」
「えー!?パンダ高専の時の悟と夏油気になる〜」
「しゃけ!」
「なんだよ棘…お前いきなり」
「ツナ、すじこ、明太子」
「まあ…気にならないわけじゃねえけど」
「…それ、恋バナじゃなくて、五条くんと夏油くんの学生時代が知りたいから教えてってこと?」
「あの2人の学生時代なんて興味ない!俺が知りたいのは恋バナ!こ、い、ば、な!恋の話!」

そ、そう…と引き気味で名前は相槌を打つ。
恋っバナ。恋ばっな!恋バナっ!と変な踊りをつけて騒ぎ始めたパンダと狗巻に真希が「うるせえ!」と持っていた呪具を扱う訓練で使っていただろう棒がバシンバシンと決まる。
五条からさらりと言われてはいたが、呪具使いというだけある。

「別に、面白いことはないと思うよ?まああの2人性格が高専の時とちょっと違うけど」
「あ?じゃああの目隠し馬鹿ああじゃなかったってことか?」
「目隠し馬鹿…」
「あん?なんだ、もやし。なんか文句でもあるのか」
「いや、ないです…」
「五条くんはもっと子供っぽかったし、夏油くんはもっと大人しいというか、大人という言うか…」
「…おかか」
「だな、信じられん…特に夏油」
「私も。私の知ってる夏油くんは呪術師じゃない人を猿だとか言わなかったし。弱者生存、それがあるべき姿だって五条くんに説教したし…」
「「「うそ!!??」」」「おかか!」
「…え?」
「あの夏油だぞ!?」
「里香ちゃんを奪おうとしたゲス野郎ですよ!」
「訓練と称して私を殺そうとした男だぞ!?」
「しゃけしゃけ!!」

絶対騙されてる!!と同級生である名前に10年後の後輩たちが大声を上げた。

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