呪術 | ナノ
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※スピネル
※夏油生存IF教祖Not呪詛師

「ご、じょう…く、ん?」
「だーい、せーかーい!グットルッキングガイ、サトル・ゴジョーだよ!そういう名前はぴっちぴちの高専3年生!」
「へ、へあ……」

つーことで、回収。と小脇に抱えられて見慣れた医務室に行けば名前も見慣れているはずの女性が酷いクマを抱えて名前を見てにやりと笑った。

「じゃじゃーん!名前」
「あー、今か」
「そ、今みたい」

若いなー。とケラケラ笑う家入に、可愛いよねーと笑う五条。
当の本人、苗字名前は何がなんやら。言えば混乱している状態である。
確か任務の途中、低級の呪霊を祓う任務だったはず。と名前は頭を頑張って回転させるが目の前の同級生(仮)2人は「どうする夏油に連絡する?」「あー、傑も構いたいよね」と名前を無視して内輪で話している。

「しょ、うこ?え?な?う、え?」
「ざっくり言うと、今現在名前は名前が居た時間からおよそ10年後にいるんだよ」
「そして私らがどうしてそれを知っているかというと、私らがおよそ10年前にこれと逆の現象に出会っているから。まあ名前は特に心配することはない、安心しな」
「え…えー?」
「名前ってば可愛いよねー!こういう初心な反応懐かしい…」
「う、うぶ…?」
「まだ猫被ってるからな。というより、お前らの傍若無人に付き合うにはああなる他ないだろうな」
「あの強気な名前も僕は好きだよ!」

いきなり「およそ10年後だよ!」と言われて「そうなんだ!わかった!」とニコニコできるほど名前は容量良くもないし受け入れるキャパシティが大きいわけでもない。
ある日突然異世界へ、なんていう小説も、突然魔法の国へ!という小説も読みはするが、現実呪術高専がその類なのでワクワクもドキドキもあったものではない。
ただ目の前にいる五条(仮)と家入(仮)に戸惑うだけである。

「ご、じょう、くん…と、しょう、こ?」
「いえーす!さっきからそう言ってるじゃん」
「この怪しさから言えば疑うわ。とりえあえずそのアイマスク取ってやれよ。っと、五条お前まだ学長に連絡してないだろ、代わりにしてやるから名前になんか飲みもん買ってきてれ」
「えー」
「ついでに夏油にも連絡しとけよ、面倒なことになっても私知らないから」
「あ、五条くんだ」
「やっと認識されたな」
「だって話し方違うんだもん!」
「わかる」
「えー。こんなGLGそうそう居ないのにぃ」
「いいから早く行け」

しっし。とまるで野良猫を追い払うようにする家入にムスくれた五条は「へーへー」と言いながら部屋をでる。それを確認した家入はスマホを出して学長に簡単に連絡を入れる。もちろん学長も過去に経験しているので連絡は非常に短い。

「さて」
「それ、なに?携帯?」
「ん?ああ、これ?スマホ。スマートホン。10年前は…ガラケーか、二つ折りのパカパカ」
「へえ…ねえ、しょう、こ?」
「うん?」
「顔色良くないけど…大丈夫?クマも酷いし…」
「名前……お前昔は優しいな」
「…へ?」
「今じゃ『うわクマやば』だからな」

はは。と笑う家入に名前はどう答えたらいいのかわからない。
言えば10年なのだから、それだけの時間を共有していると言っていもいいのだろう。それだけ長くいれば親しいわけだし、言葉も態度の多少許容範囲も大きくなる。それだろうか。
「そこの椅子でも座ってな、今五条が飲み物買ってくるから」と言われるままに名前は適当な椅子に座る。

「だたいま!若者はコーラがいいかなって思って」
「あ、ありが……振ってない?」
「振ってないよ、当たり前じゃないか」
「あ、あやしい…」
「疑う事を覚えた名前だな、いいぞ、もっと疑え」
「名前ってこんな疑り深かった?」
「だって、五条くん意地悪ばっかりするし」
「信用ないな。まあ火傷させたりしたしな、お前」
「ちょ…それは、言わないでよ…いいよ、僕が開けるから。それで名前は安心でしょ」

渡されたコーラの缶と五条を交互に見て、名前は缶を五条に渡す。
その行動に五条は小さく「え…」と声を漏らしたが、名前は無視を決め込んだ。何しろ五条に対して、正直信用はない。
少し不満そうに缶を開け、再び名前に渡そうとするが名前は「あの机の上に置いて」と指示する。無下限でバリアをしている可能性を排除しないのだ。

「信用なくてウケる」
「僕ここまで信用ないの?過去の僕名前に意地悪しすぎ?」
「まあ自業自得だな」
「あ、無事だ。ありがとう」
「…どーも」

いただきます。と律儀に言ってから飲む名前。
両手で持って、ごくりごくり。現代の名前は片手でぐびぐび飲んでしめは「ぷは!」だ。10代の名前の可愛い事よ、と2人は眺める。

「な、なに?」
「いや?」
「可愛いなーって思って。あ、そうだ傑に連絡しておくか」
「…夏油くん、見つかったんだ」
「あ、そういえば当時絶賛逃亡中だな。んで、未来の名前に捕まって戻ってきたんだった」
「あれ超ウケたよね、デカい傑が小さくなって子供2人引き連れて名前の後ろに付いてきたの」
「あれな。」
「…へ?」
「あ、もしもし傑?お前すぐ出たな、暇なの?いや、切るな切るな。いやさ、お前名前に連れられて高専戻ったじゃん?切ろうとするなって、あ、ちょっと待て、今テレビ電話に切り替えるわ、お前も切り替えろよ。早くしろよ」
『私だって暇じゃないんだ、手短にしろよ』

ちょいちょい、と手招く五条。家入は名前の背中を押して行けと促す。
名前は持っていた缶を置いて五条に近寄ると、グイと抱き寄せられて五条が持つと余計小さく見えるスマホの画面を見ると、そこには袈裟姿の夏油は居た。

『え…名前!?え、嘘!今日なの!?』
「なのー!見て、超かわいいの名前」
『あー!あー!!あー!!!今から高専行くから!!真奈美さん、今からの予定全部キャンセルして!いいから!』
「名前、夏油くーんて手振って」
「げ、げとうくーん。お仕事頑張ってね」
『ああああ!!』
「ちゃんとお仕事してねって」
「ちゃんとお仕事してね。マナミさん?に迷惑かけちゃ駄目だよ」

「名前当時から何気に夏油の扱い上手いんだよな…」

『悟ばっかりずるい…』
「硝子もいるけど?あ、名前、伊地知に会う?」
「伊地知くん?会いたい」
『〜〜〜っ!真奈美さん、これからの予定巻きで!悟、私これから巻きで終わらせて高専行くから!名前に手を出すなよ…』
「えー?別に傑の名前じゃないじゃ〜ん?ねー名前?」
「歌姫せんぱ…さんは?」
「京都に居るよ、後で電話しような」
「今歌姫さんと電話出来る?」
「かけてみる?」
「うん!あ、じゃあね夏油くん、バイバイ」
『え、ちょ』
「バイバーイすぐるくん、歌姫に負けてやんの」

けけけ。と笑った五条は何か言っている夏油を無視して通話を切った。
一応親友だし同期だし、あと他にもあるけど。と内心思ってスマホをポケットにしまい、五条は家入と名前が庵歌姫に電話をかけようとしているのを眺める。

「授業中かもな」
「先生してる?」
「そ、先生。京都校の先生してる」
「すごーい、先輩先生なんだ」
「名前、僕も先生だよ」
「…う、うん…」
「何その反応」
「いや…うん…夏油くんは、なにしてるの?お坊さん?」
「「教祖」」
「…え?」

意味が分からないのか、理解したくないのかわからない名前はキョトンとしていた。

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