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「ユウジくん!ですね!私はマシュ・キリエライトです!はじめまして!お話は##name_1##さんから聞いています、まさか会えるなんて」

食堂に行けば人だかり、いやサーヴァントだかり?それが混ぜ合わさったものがひとつ。
その中心には虎杖悠仁、そして##name_1##が世話係に任命したアルトリアが。
その虎杖悠仁の姿を見たマシュが「ああ!」と声をあげてそこに飛び込んだのだ。

「ど、どうも…」
「##name_1##さん!ど、どうしてユウジくんが!」
「まあ色々あって」
「##name_1##さん、これなに…なんで…こんな歓迎されてんの俺…」
「それはですね!あ、私からご説明してもよろしいですか?」
「どうぞ」

矢継ぎ早にマシュは戸惑う虎杖に説明を始める。
##name_1##のデスクに写真があり、そこに虎杖悠仁が幼い頃から居たこと。
写真があれば誰もが質問をしていて虎杖についてはまあまあ知っている事。
そしてマシュはその少年に色々な意味で憧れていた事を。

「は、はは…なんか、照れる…」
「私は貴方に会ってみたかったのです!あと先輩にも紹介したいのですが、いいでしょうか」
「先輩?」
「ここの…まあ魔術師の一人、藤丸立香。同じ日本人だし話してみたら?」
「へえ…」
「マシュ、ご飯どうするの?ぐーちゃん探してくる?」
「え、あ……すみません、先輩にいち早くユウジくんを紹介したいです!」
「はい、いってらっしゃい」

はい!と元気よく走り出すマシュを見送り、##name_1##は食事をするためにメニューを見て悩んでいると肩を誰かが突いてくる。
ここカルデアでは##name_1##は一応は良い地位にいる、そんな事が出来るのは今現在一人だろう。

「なに?」
「##name_1##さん、マジ助けて…」
「アルトリアに頼んだ。アルトリアに助けてもらえ」
「頼んだけど『こういう事に応えるのも必要ですよ』って…」
「……そっか。はいはい。アルトリア」

はい。と虎杖が座っていた椅子の隣に座っていたアルトリアが小走りに##name_1##に寄ってくる。
主人である##name_1##の方が立場が上ではあるが、王であったので一般人に対するモノが根本的に違うのだ。
##name_1##がアルトリアに「悠仁が疲れているから部屋に案内してあげて」と言えば「まだ彼と話したいと思う者がいるのにですか?」と返ってきたのがある意味証明である。

「悠仁はいきなり違う環境で、知らない人に囲まれて緊張して、気疲れを起こしてるの。それにまだ子供だから」
「…##name_1##が、そういうのであれば。ではユウジ、部屋に案内しましょう」
「うっす」
「返事は、はい」
「はい」
「素直なのですね」
「だって##name_1##さんこえーもん」
「倭助爺とやりあって負けたことはねえよ」

魔術師は基本肉弾戦なんてやらない。しかし##name_1##の祖父がそう言った物をしておいて損はない。というよりも数段上のある意味荒くれ者なので##name_1##はバリバリに格闘術を使うし自分の為なら誰かを殴るのだって、少し躊躇するが殴れない事はない。
実際カルデアに来る前にはそういう部隊に入ってバリバリに戦闘行為をしていたわけだ。
今は遠のいているが鍛えてはいる。
アルトリアに連れられて食堂を出ていく虎杖を見送り、##name_1##は食事をするために注文する。厨房のサーヴァント達に「あれが君の可愛い弟分か」と数騎に笑われたが、間違いではないので否定はしなかった。実際日本では可愛がっていた子供である。血縁関係はないが金銭面で援助もしていた仲だ。

「##name_1##さん!ユウジくんを知りませんか?」
「悠仁なら部屋に行ったよ」
「そうですか…せっかく先輩を紹介しようと思ったのですが…」
「ここだと人とサーヴァントが多からね。別に部屋を訪ねるくらい良いと思うよ?」

部屋はね…と##name_1##は続ける。
部屋を教えてもらったマシュは藤丸を連れて「行きましょう!」と少し興奮気味に向かう。
それを##name_1##は食事をしながら見送り、「元気だな」と思いながら咀嚼する。

マシュが虎杖悠仁を気にするのは言えば当たり前なのだ。
幼い頃から一緒に居る##name_1##。その##name_1##がその彼の用事で帰国するのを何度も何度も目にしてきた。##name_1##のデスクにある写真も何度も何度も見てきたし、何度も何度も日本の話や自分と同じくらいの少年の話をせがんで聞いてた。
フィクションではない人物、今を生きている人物、遠い国で生きている人。自分なんてちっともしらない少年。
とても遠くて近くて、不思議な存在の虎杖悠仁。
その彼が今会えるというならばマシュにとって会わない選択肢はないのだ。

「……ねえ、エミヤ」
「どうした?何か味付けが気になったか?」
「そういうんじゃなくて。ここに、身長が…2mまで行かないけど高くて、髪が白い男来た?」
「いや?ここに来た見慣れないのは君の所の悠仁だけだよ」
「…そっか。じゃあさ、あとホットサンドと甘いデザートテイクアウト風で頼める?」
「その男に差し入れか?」
「まあそんなとこ。恩は売っておいて損はないし」
「打算的だな。いいだろう、味の好みは」
「しらない。でも甘いのが好きだったと思うから」
「わかった、それでデザートか。いいだろう」

君も案外苦労性だな。というエミヤの声に##name_1##は「案外そうかも」と適当に返した。