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「#エロ」のBL小説を読む
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おおお…まじかあ…と##name_1##は自宅の玄関先で蹲った。
玄関のカギを開けて一歩入ると違和感が。やばい、これは、と思った。
思わず靴を汚く脱ぎ捨てて部屋に入れば見事に散乱している、空き巣だ。
まさかとは思ったが、まあ現実だそうなのだからそうなのだろう。引き出しという引き出しは乱され、買った雑誌は見るも無残にバラバラ。明日の朝にでも食べようかなと思って買ったパンは行方不明。
すぐにスマホを取り出して警察に連絡をする。現場保存と犯人がまだ居るかもしれないからと部屋をでて待機する。
ああ、なんという厄日だろう。私が何をしたというのか、と##name_1##は涙する。
するとスマホが震え、ディスプレイを見ると「五条悟」の名前。

「はい…」
『やっほー!って、どうしたの##name_1##さん。元気ないじゃん』
「んー…」
『風邪?それとも上からの嫌がらせで呪術師嫌になっちゃった?』
「五条くん…」
『なになに?グットルッキングガイの最強な僕に?どうしたんだい?##name_1##さん、ふふん。』
「部屋空き巣入ったあ…」
『………は!?』
「あーきーすー」
『今部屋?』
「玄関の外。警察には連絡した。警察待ち」
『一人?』
「一人…」
『待ってて、今行くから』
「は?」

いや、別に来なくていいよ。という前に電話は切られてしまった。
そもそも電話がなければ言う事もなかったが、自分は混乱して知っている声に甘えてしまったな。なんて今更になって気が付いた##name_1##。

「##name_1##さん!」
「あ、本当に来た」
「怪我は?警察は?」
「怪我なし、警察まだ。てか早すぎて恐い。あとスマホ鳴りすぎ」
「あ、今まで七海と一緒だったから。たぶん七海だな、やっぱり七海だ。今日ホテルに泊まるの?一人で平気?」
「いやまだ警察も来てないのに何もできないです」
「硝子に連絡して泊めてもらう?それがよくない?」
「硝子は出張で九州です」

いいから電話でて。と##name_1##は言うと面倒くさそうに電話にでる。
するとそれとほぼ同時に警察官がやってきて##name_1##はそちらに脚をむけて話を始める。

「で、そちらの方は」
「あ、気にしないでください」
「え?」
「あー、学生時代の後輩で現上司?ではないですけど同僚?的な?」
「心配して来てくれたのかな?」
「まあ、そんなところですね、多分」

やいやい電話で喧嘩口調になっているのは、まあ置いておいて。
##name_1##は警察官と一緒に部屋に入って説明を始める。するといつの間にか一緒に部屋に入って、それでも電話は終わってない辺り七海が酷く腹を立てているのだろう。

「俺がついてるからお前は来なくていいんだよ、切るからな」
「七海くん?どうしたの」
「##name_1##さんが空き巣入ったって連絡来たとき一緒で、それでどういう事かってうるせーの」
「あー…七海くん…あちゃー…」
「夏油さん、ちょっといいですか」
「はーい」

警察官は二人、一人は女性でもう一人は男性。一応女性被害者という事でそういう形式なのだろう。二人なのは少し疑問な所はあるが、こういう時はもう少し人数が多いのかと思ったが。まあ後から来るのかもしれない。
女性の警察官と寝室に行き、荒れているのを確認して被害状況を説明する。
これは下着も服もしっちゃかめっちゃかされている。たいして高い服も下着も、寝具でもないが精神的にキツイ。保管してあった通帳も判子もなければ、飾ってあった写真はフレームから落ちているし、形見の時計やアクセサリーも見事に姿を消している。

「##name_1##さん、大丈夫?」
「……じゃないねえ…」
「夏油さん、ちょっとこれかなりの被害だから応援呼ぶけどいいですか?」
「あ、はい…わかりました……」
「彼氏さん?これ結構精神的にきついから支えてあげてね」
「彼氏じゃないですー、本当勘弁してください、七海くんか伊地知くんなら勘違いされてもいいけど五条くんだけは勘弁してください」
「はい?」
「あ、気にしないでください。ここに居た方がいいですか」

何故か五条がそれから警察官とはなし、##name_1##の連絡先を聞かれてから暫くはファミレスか男性が一緒なら公園でもいいから近所に居てくれとの事だった。
わっかりましたー。と元気に五条が返事をして、##name_1##の手を引いて歩いてファミレスに入る。

「あ」
「どしたの」
「七海くんだ」
「げ」

窓際の席に座って外を眺めていると見知ったスーツの男性。
##name_1##が手を振ればこちらに気付いたのだろう、背筋をぴんと張って颯爽と風をきって店内にきて##name_1##の隣に座る。

「説明を」
「うちに空き巣が入りました、五条くんがきました、警察が今います、あとで連絡がくるので待機中です」
「なに来てんだよ、僕じゃ不満なワケ?」
「ええ不満です。そもそも説明が雑なんですよ」
「ごめえん」
「##name_1##さんではなく。今日はどこに泊まるんです」
「あー…そこらへんのビジホかな…」
「僕ん家泊まる?」
「泊まんない」
「変なことしないよ」
「変な事ってなにさ」
「え、エッチとか」
「最低だー」
「いやしないってば」

お冷を飲んでみるが、まあ味気のない事。水なのでそうなのだが、清涼感さえないのはダメージがお起きのだろうなと##name_1##は客観的に考える。まあ空き巣にはいられ、あれだけ荒され、金品がなくなればまあダメージは大きいだろうなと##name_1##も検討はつくが、実際自分の身にかかると想像以上である。

「お父さんの時計も、お母さんのネックレスも、傑のピアスもなくなっちゃったー。戻ってくるかな、傑のピアスくらい付けておけば良かった…お母さんのネックレスもちょっと古いけど付けられないわけじゃないし…あーあ」
「傑のピアス?あの、もらったやつ?」
「んー」
「何の話ですか」
「傑が離反してから##name_1##さんに会いに来てピアス渡したんだよ。あー##name_1##さん泣かないの」
「泣きたくもなるでしょう」
「あーん、今になってきたー。硝子ー歌姫さーん」

ぽろぽろと涙がでる##name_1##に七海がハンカチを渡して「使ってください」と目を抑える。
しばらく静かに泣いて、コーヒーを飲み、連絡がきて現場に向かう。
警察官は人数が増えていて最初に居た女性警察官が「あれ、こっちが彼氏?」と聞いてくるので「違います、後輩です」と適当に答えたらいいのに律儀に返す##name_1##。
七海も七海で玄関先から見える光景に「酷いですね」とぽつり。

「これから警察署の方までお願いします。書類制作や色々ありますから」
「あの、これ今日帰宅って…」
「防犯の観点からはオススメしません。犯人がまた来る可能性もありますし」
「ですよね……」

あはー…と明らかに意気消沈する##name_1##。逆に笑うしかないのかもしれない、顔だけは半笑いで目が明らかに死んでいる。

「じゃあ私これから警察行くから…じゃあね」
「##name_1##さん、伊地知に連絡してビジホとってもらったからあとで迎え行くから」
「うっす…」

踏んだり蹴ったりだよ…とふらふらしながら##name_1##は警察に向かった。