「マスター」 「マスター」 きゃあ。と言わんばかりの初々しい声、いやこれぞ女子というような歓喜である。 アルトリア・リリィ、メディア・リリィの2騎である。 ##name_1##はカルデアのスタッフでありながら魔術師の家系でもあり、それをきっかけにテストマスターとなり英霊の召喚を行った。その召喚は成功であり、現に2騎のサーヴァントのマスターとなっている。 しかし##name_1##には本来の仕事であるカルデアのスタッフがあり、ゆくゆくの計画にはスタッフとしてしか参加するつもりもなければカルデアとしての考えもそうである。 その考えはすでに2騎には通達済みであり、それでもその2騎は「現界していたい」という意思を示したので##name_1##はそのまま2騎のマスターをしている。 他のマスターの素質がある人員へのマスター権の譲渡を考えたが、彼らの意思を一応聞いてみるとそれの「ノー」であった。それに関して##name_1##はそれ以上聞く事もなかったし、彼らがそれに関してそれ以上##name_1##に抗議することもなかった。 「おうリリィズ楽しそうだね」 「そうやって私達を略さないでください!」 「今日の式典、私たちも参加してもいいですか?」 「オルガマリーからは許可貰ってるから大丈夫。ただ私と同じスタッフ席だけど…あと式典じゃないからね、今日あるの」 「ほら、やっぱり式典じゃないじゃない。アルトリアのせっかち」 「な…メディアだって言っていたじゃありませんか」 「人が多く来るからそう言いたくなる気持ちもわからんでもないけど。お客様というか、まあ外から人が来るからお行儀良くね。特に君らはサーヴァントです、彼らに悪い印象を与えるとその他のサーヴァントの印象も悪くなってしまいます。どういう事かわかるね?」 「はいマスター」 「なんだかドキドキしますね」 この初々しさはなんだ。と一時期研究所で持ちきりになった事がある。 英霊と言えば良くて数百年前の存在であり、彼らサーヴァントから見れば我々スタッフは子供良い所だろう。それがなんだ、下手をしたらそこら辺の女の子と変わらないのではないかと。それこそ育ちの良い娘という感じの2騎である。人里はなれ、いや都会、とりあえず多くの人間が行きかう都市から離れたこんな山奥山頂で飢えている男はいる。 何名かサーヴァント相手に本気になってしまい玉砕、というものがいたらしいがそれは##name_1##の耳には入っていない。 それからサーヴァント2騎とは別れ、諸準備にはいる。 メインスタッフである##name_1##はヒステリックになっているオルガマリーと打ち合わせをし、そして所属のスタッフ達とも同じように打ち合わせをする。 「ロマニは?」 「見ていませんけど…」 「もう、時間には居てって言ってあったのに」 「マスター」 「アルトリア、どうかした?」 「メディアがドクターを確保済みです。私はそれをマスターに」 「でかしたアルトリア!で、メディアは」 「こちらに向かっています」 「…5分押しているから会いに行く!」 |