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「紹介しよう、##name_2####name_1##だ。君はもしかしたらあの場で見ているかもしれないけど一応ね。彼女は爆発に巻き込まれて唯一、いやあの場のスタッフで唯一生き残った人間だ。ついでにマスター適正はあるもののそれ以上にスタッフとしてのキャリアがあってマスターへの転向は難しいところだね。なんせマスターも足りなければスタッフも足りない。キャリアがある彼女をわざわざスタッフから外してでもマスターにするという利点がないんだ」
「ダ・ヴィンチちゃんや、長い」
「おっとそれはすまい。なにはともあれ、アレだよアレ。復帰した仲間の紹介ってやつだ。そうそう##name_1##のサーヴァントはガウェイン卿だから仲良くするんだよ。どうしてサーヴァントがいるかって?それは彼女がどうしてあの爆発に巻き込まれて生きていたかと言う事に起因する。##name_1##は何を隠そうテストマスターだったんだ」
「こんな喋るキャラだった?」
「##name_1##が復帰されて嬉しいのでしょう」

ぺらぺらとそれこそよくそこまで続けて喋る事が出来るなと呆れるほどの饒舌だ。
生き残った唯一の正式なマスターであるその人は、そのダ・ヴィンチの説明に引いている様子がよく分かる。
こそこそとマシュに何か言っているし、マシュもマシュで困ったように笑っている。

「では改めて。##name_2####name_1##です、好きなように呼んでね。ちなみにファーストネームは##name_1##、出身は日本で純日本人。えっと君は…そうだな、ロマニから聞いたけどロマニとの出会いで『ぐだ』と呼ばせてもらおうかな!」
「##name_1##さん!そんな先輩に変な名前を付けないでください」
「えー、ぐーちゃんとかぐーくんとか、可愛いと思うけど」
「あはは、いいね##name_1##。君のその他人をあまり気にしないところいいと思うよ」
「まあ嫌だった無視してもらって結構だし、無視されても呼び続けるからね」
「いじめ!」
「はははは」
「##name_1##さん!」
「で、私の隣にいるのがガウェイン、クラスはセイバー。好きにガウェインでもガウェイン卿でも呼んであげて。若い巨乳の女の子が大好きな変態紳士サーヴァントだよ」
「私をその様に紹介しないでください##name_1##」
「マシュのこと狙ってるくせにー。男は狼だよ、気を付けるんだよ」

やいのやいのと騒いでいると今まで黙っていたロマニが「いいかな」とアピールを開始する。
本題と言うのかなんというのか、真面目な話をしたいらしい。

「えっと、じゃあこれからの事だけど」
「ロマニが仕切るの?」
「一応ここの責任者になったからね」
「あ、そっか」
「##name_1##やる?」
「やらない。」
「だ、だよね…。そうだよね」
「だってロマニの方が私よりここ長いんだし適任でしょう」
「厄介な事押し付けてない?」
「ないない」

私がそんな事をするような人間に見えるのかい?と##name_1##がロマニに問えば、誰もが白々しい程にいい笑顔になる。
短時間ではあるが、あのマスターも##name_1##がどのような人間かを理解したらしい。
##name_1##は悪い人間ではないが面倒な事はしたくない性分らしい、と。

「その件ならダ・ヴィンチちゃんから簡単な説明は貰っているから大丈夫。そして私の意思も決まっているから、ここでついでに。私はマスターにはならずスタッフとしてサポートする。だからガウェインのマスター権も放棄しろと言うなら放棄してマスターに譲渡する」
「##name_1##…!?」
「悪いねガウェイン、私はもともとマスター適正のあるスタッフなんだ。だから正直君が私と契約したままここに居る事自体想定外でさ。それに適性があるだけの人間であり、本来はスタッフでしかない。ロマニ、そういう事だから後の判断は任せる。ぐーちゃんや、君もサーヴァントは多い方がいいだろう?」
「え…あの」
「##name_1##さん、そんなこと急に言われても先輩も、ガウェイン卿だって…」
「私としては##name_1##がスタッフとしていてくれることも有難いし、でもマスターという人材だと言う事も切り捨てることができないんだよね。##name_1##、このままスタッフ兼マスターは駄目?」
「別に悪くないと思うけど、でもそれだと効率悪くない?良いサーヴァントいるのにここで待機?」
「それは##name_1##にはここに残ってもらってガウェイン卿にはレイシフトしてもらうとかさ」
「ロマニそんなことできるの?マスターと距離だけじゃなく時間まで離れるんだけど」
「不可能ではないよ」

##name_1##が最近まで研究していた一部を応用させてもらって出来るようになったよ。とさらりと凄い事を言うロマニ。
それはもしかしたら##name_1##の成果だったかもしれないのだが、##name_1##は案外あっけらかんとしてモノで「あらやだ私って凄い」と自画自賛をしている。

「ぐーちゃんはどう思うよ」
「ぐーちゃん……えっと、どっちでも、いいかなと思います。というより、ご本人の意思が大事かと」
「私?」
「いやいや、ガウェインの」
「どうする?私はスタッフに徹するつもりだけど」

その一言はまるで「判断は君に任せるよ、色々な条件で道は選べるから」という自由を与える一方で##name_1##はがガウェインには「私に君は必要ない」という判断を下している。
##name_1##はマスターを続けるつもりはないとハッキリと意思を示し、口にしている。
それは自分を否定しているともとれる発言であり、また主であるマスターは不要だと言っているようなものである。騎士道に外れるような行動はとらないであろうが、それと同時にその高いプライドを##name_1##は切って捨てている。

「私が不要になられましたか」
「まさか。私は本来の仕事に戻るということ。勿論ガウェインが今のままでいいというなら私はそれを否定しないよ、ただ私は貴方が飼い殺し状態になるのだけは避けたい。こんなにも立派なサーヴァントだ、それこそ人理の為に働いてほしいと思っている」
「………」
「ロマニ、その話は急いだ方がいいの?」
「あ、いや…次の特異点の発見までには」
「安心はできないよ##name_1##、それがもしかしたら1時間後にわかるかもしれないんだから」
「わかった。じゃあこうしよう、その判断はガウェインに任せる。時間は次の特異点までだ。ぐーくんもそれでいいね?ガウェインが君のサーヴァントになる時はよろしく頼むよマスター」
「##name_1##さん…」
「はいはい、じゃあこの話はこれで一旦切ろう。ロマニ仕事の兼でいい?私はどの仕事を引き継げばいいのかな」

じゃあガウェイン考えといてね。と手を振り、##name_1##はロマニをつついて別室に連れて行く。
##name_1##の性格を知っている人間であればそういう人間だというのはわかっているが、それにしてもあっけらかんとしすぎだろう。契約を結び、先日の爆破では命を救ってくれたサーヴァントである。
呆れた様子のダ・ヴィンチは「##name_1##ー、私も君に引き継いでほしい件があるんだよー」と大声を上げて歩いている。

「ガウェイン卿…」
「大丈夫ですよ、レディ。##name_1##はあのような性格ですし、悪気がないのも理解しております」
「あの、##name_1##さんとガウェインは」
「契約を結び、お二人の様な関係です。主が##name_1##でサーヴァントが私、最初も##name_1##は私に選択肢を与えました」
「それって、どんな?」
「契約を切りすぐに消えるか、そのまま契約を結びただ世界を見るか。なんと理不尽な選択かと思いましたが…あれは##name_1##なりの配慮だったのでしょう」

そのどこが配慮なのかは恐らくガウェイン以外にはわからないだろう。
勝手に召喚され、消えるかこのままいるかを選べというのだ。それはガウェインだからこそ通じたように思えるし、下手をしたら##name_1##が死んでいたかもしれない事態だろう。

「悪い人間ではないのです」
「それは私も同感です。##name_1##さんはいい人です、そうですね、姉の様な存在と言うのでしょうか。よく抱きしめていただきましたし、色んなことを教えていただきました」
「それは初耳ですレディ」
「そうでしたか?日本の昔の遊びや」
「その前です」
「マシュは確か…抱きしめてもらったってやつ?」
「それが何か?」
「私はそんな事をしていただいていない」
「ガウェイン、マシュとガウェインじゃ違いすぎるし…意味も違ってくると思うけど」
「失礼、##name_1##に抗議を」
「え」
「え」

キリッとした表情とは裏腹に大変な下心を察知した二人。
カッカと足音を立てながら##name_1##を追うガウェインを追う。
マシュが言っていた通り##name_1##がマシュにとって姉の様な存在であるならば##name_1##がマシュに対してとっていた行動は何もおかしくない。ハグもコミュニケーションのひとつだし、同性であって同意がもてているのならなお問題はない。
しかし相手はガウェインである。
サーヴァントである彼は男性であるし、人間である##name_1##よりも力は強い、強すぎると言ってもいい。マスターとサーヴァントという関係ではあるが、恐らくそういった関係ではないだろう。先ほどの会話を知る限りでは。

「##name_1##!」
「もう答えは出たの、早いな」
「違います、レディにお聞きしましたがレディを抱きしめていたそうですね」
「ロマニ、ここなんだけどさーこれ私じゃなくてダ・ヴィンチちゃんの方がいいと思う」
「確かにそうかもね、じゃあこっちの方引き継いでくれる?」
「わかった」
「無視をしないで頂きたい!」
「それでさー」
「##name_1##!」

こうも綺麗にサーヴァントを無視しているのも凄いだろう。というよりも、もしかしたらこう言った事が多いのかもしれない。

「ガウェイン、私が求めているのは私との契約をどうするかと言う事だ」
「私が求めているのはハグです!」
「言っちゃったよこの人、いやサーヴァント!」
「なんだ私とハグがしたいのか」
「はい!」
「よしきた!こいガウェイン!!」
「どうしてそうも男らしいのです!私はもっと」
「うるせぇ!こちとら恥ずかしいの我慢して応じとるんじゃ、文句あるなら契約どうするか決めろ!!」

何この主従…と小さく呟けばマシュが「##name_1##さんとガウェイン卿です」と正論をいうのかそのままの事を言っていた。