「………あの…?」 キャスタークラスのクーフーリンの隣に一人のアジア系の女性。 その彼女を赤い外套のアーチャーが見まごうことがあるだろうか。その女性はうすくなった記録の中でも何度となく再生されては消えていった##name_2####name_1##だ。 どうして彼女が。という疑問が頭を駆け巡る。 どうしてランサーが隣に。という焦燥感が駆け巡る。 「…知り合い?」 「まあ、あれだ。腐れ縁ってやつだ」 「………そう、初めまして、私##name_2####name_1##と申します。縁があってこちらで保護してもらっていて」 「あ、ああ…君は、マスターなのか?」 「俺の、な。ちなみに##name_1##は俺以外と契約はしてねえからな」 「私カルデアの所属ではない、冬木の聖杯戦争で保護してもらったので…でもお手伝いはするので、何かあれば言ってください。協力します」 「………では、マスターを君に変えてもらう事も可能かのかね」 その質問にクーは##name_1##にはわからないように笑い、##name_1##は突然の申し出に面食らったのか「え」やら「あー…」とどう言葉にしていいのかわからないという風に目を泳がせている。 まさかそんな申し出があるとは誰も、いやクー以外思っていなかったのだ。 ここでマスターの素質があるのは##name_1##を助けた者を含め二人。 一人にばかりサーヴァントが集中してはマスターの負担が多いのは事実だが、こうも早くマスターになって欲しいという事があるとは思ってもいなかった。 「今のマスターにはサーヴァントが十分いる。サーヴァントが偏っていては有事の際に保険がないだろう」 「でも、それは私一人の判断ではできないので…マスターや、他の方々とも相談をしないと…え」 「モテるな##name_1##。これで何人目だよ」 「他のサーヴァントはみんなクーじゃない、クラス違いの。あれも全部人数に当てはめるの?」 「大きな意味で全部俺だが別は別だ」 「ほう?モテるのだな」 「違います。どうせ私がキャスタークラスのクーのマスターだからって理由で言っているだけなんです、知ってる人間の方が気が楽だって」 同じ顔で同じ名前で違うのはクラスだけだから大変なんです。と少し腹を立てた様子で##name_1##は愚痴をこぼす。 愚痴といっても赤い外套のアーチャーにしてみれば、その##name_1##の敬語という他人行儀が妙に違和感を感じて愚痴どころではないのだが。 「あの、アーチャーの名前、聞いてもいいですか?」 「なに?」 「サーヴァント沢山いて、クラスもだいぶ被っていますし、それに真名で呼び合っているので」 「……」 「あの…?」 「エミヤ、シロウだ」 「えみや…?」 「ああ」 「あ、ごめんなさい…知り合いの、男の子と同じ名前で、ちょっと驚いてしまって」 「…そうか」 「………」 「おい、エミヤシロウ。手前は手前で今のマスターと交渉してから##name_1##に交渉しろ。##name_1##の性格からして拒否はしねえだろうけど」 「………そうだな、そうさせてもらおう」 というのを考えたー。 |